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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 免疫・輸血

スクリーニング的にCA19-9を測定したら62U/mLでした.どう考えたらよいでしょうか?

著者: 山田俊幸1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査部・臨床検査医学

ページ範囲:P.380 - P.381

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CA19-9の特徴

 CA19-9は最も利用されている膵胆道系の腫瘍マーカーである.物質としてはモノクローナル抗体NS19-9によって認識される糖鎖抗原部分であり,その抗原を末端に有する細胞膜の糖蛋白が血中に遊離してきたものが測定されている.糖蛋白の構造が一様ではないことと測定条件の違いが相まって,試薬間差が生じる原因になっている1)

 また,抗体に認識される抗原は癌細胞以外でも発現されているため,種々の良性疾患でも陽性となる.臨床的な陽性陰性判定のカットオフ値は,検査が世に出た当初から37U/mLと設定されており,悪性腫瘍を疑うのは100U/mL以上とされる.結論としては,62U/mLという値が,悪性腫瘍の初期の段階を意味するのか,腫瘍とは関連のない要因による値なのか,その判断は困難である.

参考文献

1)石黒厚至:CA19-9—検査篇.臨検 59:632-637,2015
2)Kim BJ, Lee KT, Moon TG, et al:How do we interpret an elevated carbohydrate antigen 19-9 level in asymptomatic subjects?. Dig Liver Dis 41:364-369,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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