文献詳細
増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室
免疫・輸血
不規則抗体保有の妊婦は胎児や出産後の新生児にどのような影響を与えますか? 母児間血液型不適合の胎児・新生児における影響と輸血や検査について教えてください
著者: 大槻郁子1
所属機関: 1自治医科大学附属病院輸血・細胞移植部
ページ範囲:P.404 - P.405
文献概要
不規則抗体は,通常ABO血液型以外の赤血球抗原に対する同種抗体で,輸血・妊娠・出産などによって産生される.妊婦の場合,胎児に移行して影響を与えることがある(図1).妊婦の不規則抗体検査は,妊娠初期にスクリーニングを実施する.抗体産生の要因は,妊娠中に胎児血液が母体血中に流入する母児間輸血が挙げられる.そのため,不規則抗体(表1)が同定された場合は,胎児・新生児溶血性疾患(hemolytic disease of the fetus and newborn:HDFN)を発症する可能性があるため,定期的な抗体価の測定が必須となる.
参考文献
掲載誌情報