icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 免疫・輸血

不規則抗体保有の妊婦は胎児や出産後の新生児にどのような影響を与えますか? 母児間血液型不適合の胎児・新生児における影響と輸血や検査について教えてください

著者: 大槻郁子1

所属機関: 1自治医科大学附属病院輸血・細胞移植部

ページ範囲:P.404 - P.405

文献購入ページに移動
妊産婦の不規則抗体

 不規則抗体は,通常ABO血液型以外の赤血球抗原に対する同種抗体で,輸血・妊娠・出産などによって産生される.妊婦の場合,胎児に移行して影響を与えることがある(図1).妊婦の不規則抗体検査は,妊娠初期にスクリーニングを実施する.抗体産生の要因は,妊娠中に胎児血液が母体血中に流入する母児間輸血が挙げられる.そのため,不規則抗体(表1)が同定された場合は,胎児・新生児溶血性疾患(hemolytic disease of the fetus and newborn:HDFN)を発症する可能性があるため,定期的な抗体価の測定が必須となる.

参考文献

●大戸斉:新生児溶血性疾患と母児免疫.輸血学 改訂第4版(前田平生,大戸斉,岡崎仁編),中外医学社,pp597-613,2018
●浅野尚美,小郷博昭,池田亮,他:生後4ヵ月以内の乳児における母由来の抗A,抗B抗体検出時の適合血の選択.日輸血細胞治療会誌 63:3-8,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?