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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 感染症

カテーテル関連血流感染症を疑っているのですが,カテーテル逆血での血液培養は必要ですか?

著者: 本郷偉元1

所属機関: 1関東労災病院感染症内科

ページ範囲:P.414 - P.415

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回答

 “必要ですか”と問われたら,答えとしては“不要です”となる.カテーテル関連血流感染症(catheter-related blood stream infection:CRBSI)とは,CRBSIが疑われる臨床状況にある患者が血流感染症(菌血症)を起こしており,かつ,その原因がカテーテルで他に原因がない場合に診断される.つまり,カテーテル先端培養が陽性であること,および菌血症を診断することが必要条件である.ところで,菌血症を診断するためには血液培養2セットが必要である.

 CRBSIを疑うのだから,患者には血管内カテーテルが留置されている.血管内カテーテルが留置されているのだから,血液培養の1セットはそこから採取したくなるかもしれない.しかし,コンタミネーションの確率を減らすため,逆血からの血液培養は採取しないのが原則である.カテーテル逆血での血液培養は基本的には推奨されていない.それは,例えば無菌的な胸腔に留置されている胸腔ドレーンからの胸水培養検体などと同様に(胸腔ドレーンを血管内カテーテルと思えばよい),本来無菌的な部位からのドレーン培養検体は推奨されていないことと同じである(この場合に胸水培養を採取するには,ドレーン挿入前であってもドレーン留置中であっても,胸腔穿刺を行う).

参考文献

1)Mermel LA, Allon M, Bouza E, et al:Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Intravascular Catheter-Related Infection: 2009 Update by the Infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis 49:1-45,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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