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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 感染症

C.difficile感染症を疑って検査をしたところ,トキシンは陰性だけれど抗原は陽性と言われました.次に何をすればよいですか?

著者: 上蓑義典1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.422 - P.423

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Clostridioides difficile感染症(CDI)

 Clostridioides(Clostridium)difficileはグラム陽性偏性嫌気性菌であり,院内下痢症の主要な原因の1つであるC.difficile関連下痢症(CDAD)を引き起こす.CDADは,C.difficileの産生する外毒素であるtoxin Aまたはtoxin Bが腸管の上皮細胞や免疫細胞に作用し,粘膜障害などを起こすことで下痢が生じる.このため,CDIの検査は下痢症の原因としてC. difficileのtoxinの産生があるかをみることが目的であり,下痢をしていない患者に検査しても意味がない.米国のガイドライン1)では24時間以内に3回以上,形のない便を認めた患者が検査適応とされており,わが国のガイドライン2)ではその指標としてBristol Score 5以上を用いるとされている.

参考文献

1)McDonald LC, Gerding DN, Johnson S, et al:Clinical Practice Guidelines for Clostridium difficile Infection in Adults and Children: 2017 Update by the Infectious Diseases Society of America (IDSA) and Society for Healthcare Epidemiology of America (SHEA). Clin Infect Dis 66:e1-e48,2018
2)日本化学療法学会,日本感染症学会:Clostridioides(Clostridium)difficile感染症診療ガイドライン.感染症学雑誌 94:1-85,2020
3)Crobach MJ, Dekkers OM, Wilcox MH, et al:European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases (ESCMID): data review and recommendations for diagnosing Clostridium difficile-infection (CDI). Clin Microbiol Infect 15:1053-1066,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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