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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 感染症

現在,タゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)を投与しているのですが,検出されたEnterococcus faecalisの感受性検査結果にTAZ/PIPCの結果が書いてありません.アンピシリンを併用したほうがよいですか?

著者: 鈴木大介1

所属機関: 1安城更生病院感染症内科

ページ範囲:P.424 - P.425

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 感染巣から採取された培養からアンピシリン(ABPC)感性のEnterococcus faecalisが検出され,今回の症例の原因菌であると判断した場合(以下,本症例)を想定して返答する.

 Enterococcus spp.(腸球菌)がABPCに感性の場合はタゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)にも感性と判定してよいため,慌ててABPCを追加する必要はない.一方で,感染巣と全ての原因菌およびその感受性が判明したら,TAZ/PIPCよりスペクトラムの狭い抗菌薬への変更(de-escalation)を検討する.

参考文献

1)Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI):Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility testing, 30th ed. CLSI supplement M100, CLSI, Wayne PA, 2020
2)前崎繁文,大曲貴夫(編),細川直登(ゲスト編):臨床感染症ブックレット2 エンピリック治療の抗菌薬,確定治療の抗菌薬を選択する,文光堂,2010
3)日本循環器学会,日本心臓病学会,日本心エコー図学会,他:2016−2017年度活動 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017年改訂版),日本循環器学会,2017
4)Baddour LM, Wilson WR, Bayer AS, et al:Infective Endocarditis in Adults: Diagnosis, Antimicrobial Therapy, and Management of Complications: A Scientific Statement for Healthcare Professionals From the American Heart Association. Circulation 132:1435-1486,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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