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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 感染症

β-D-グルカン検査には偽陽性があると聞きました.どのような場合に偽陽性になるのですか?

著者: 村中清春1

所属機関: 1諏訪中央病院リウマチ・膠原病内科

ページ範囲:P.426 - P.427

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β-D-グルカンの偽陽性

 β-D-グルカンは多くの真菌において細胞壁の主要な構成成分であり,陽性となる主な深在性真菌感染症はCandida spp.,Aspergillus spp.,Pneumocystis jiroveciiである(表1).陽性とならない微生物の代表はムコール症をきたす真菌とCryptococcus spp.である(表2).前者はそもそも細胞壁にβ-D-グルカンが存在せず,後者はβ-D-グルカンをもつが,厚い莢膜多糖の影響で陽性化しないと考えられている.

 β-D-グルカン検査にはいくつかの偽陽性の報告がある(表3)1).その要因としてβ-D-グルカン含有物の摂取・投与,検査手技の問題が指摘されているが,その他にメカニズムがよくわかっていないものもある.偽陽性はいわば“検査の副作用”であり,治療薬剤の副作用と同様にその因果関係を証明することは難しい.

参考文献

1)Clancy CJ, Nguyen MH:Finding the “missing 50%” of invasive candidiasis: how nonculture diagnostics will improve understanding of disease spectrum and transform patient care. Clin Infect Dis 56:1284-1292,2013
2)Asano-Mori Y, Kanda Y, Oshima K, et al:False-positive Aspergillus galactomannan antigenaemia after haematopoietic stem cell transplantation. J Antimicrob Chemother 61:411-416,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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