文献詳細
文献概要
増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 生理機能
三相波はどんなときにみられますか?
著者: 代田悠一郎1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.482 - P.483
文献購入ページに移動三相波を呈する基礎疾患
三相波といえば肝性脳症が有名であるが,実際にはさまざまな代謝性脳症で観察される.高ナトリウム血症,甲状腺機能低下症,敗血症,リチウム中毒,高血圧脳症などの報告がある1).筆者らは,第四世代セフェム系抗生物質であるセフェピム(CFPM)を腎不全患者に使用した際に生じた意識障害に伴い,三相波様の波形が周期的にみられたことを報告した2).基礎疾患によらず意識障害に対応する脳波所見であるが,脳波異常の程度と意識障害の程度は必ずしも関連しないとされる.
三相波といえば肝性脳症が有名であるが,実際にはさまざまな代謝性脳症で観察される.高ナトリウム血症,甲状腺機能低下症,敗血症,リチウム中毒,高血圧脳症などの報告がある1).筆者らは,第四世代セフェム系抗生物質であるセフェピム(CFPM)を腎不全患者に使用した際に生じた意識障害に伴い,三相波様の波形が周期的にみられたことを報告した2).基礎疾患によらず意識障害に対応する脳波所見であるが,脳波異常の程度と意識障害の程度は必ずしも関連しないとされる.
参考文献
1)日本臨床神経生理学会(編):モノグラフ 臨床脳波を基礎から学ぶ人のために 第2版,診断と治療社,2019
2)代田悠一郎,大友亮,花島律子,他:セフェピム塩酸塩投与により周期性あるいは律動性脳波所見を呈した2症例.臨神経 52:356-359,2012
掲載誌情報