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雑誌詳細

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 生理機能

脳死判定はどのような準備をしておけばよいですか?

著者: 栁田浩己1

所属機関: 1自治医科大学附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.486 - P.487

検査においての準備

 実際の脳波測定時に,ミスや漏れがないように「法的脳死判定マニュアル」1)に準拠したチェックリストを作成しておく(図1).日常で使用している点検整備されたポータブル脳波計を準備し,法的脳死判定推奨モンタージュの設定や,脳波計によっては検査手順をわかりやすくアイコン化できる測定ナビゲーションが搭載されているので,脳死判定用に設定しておくのもよい(図2).

 特に重要なのは,普段の検査で脳死と考えられる患者を法的脳死判定を想定して検査し,脳電気的無活動(ECI)の記録ができるかを確認しておくことである.判定では,2名の臨床検査技師が脳死判定予定時間の1時間ほど前に入室して電極の装着と仮記録を行い,脳死判定時の脳波記録が順調に進むように準備する.電極装着では,全ての電極の接触抵抗を2kΩ以下とすることが必須である.これができないと,たとえECIでも,脳波様微小電位(EMA)2)と呼ばれるアーチファクトが混入して高感度記録でのECI確認を困難にする.

参考文献

1)脳死判定基準のマニュアル化に関する研究班:平成22年度厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業「臓器提供施設における院内体制整備に関する研究」 法的脳死判定マニュアル,へるす出版事業部,2011
2)橋本修治,瀬川義朗,原田譲,他:脳死判定時脳波における脳波様微小電位.臨脳波 43:514-518,2001
●日本臨床神経生理学会臨床脳波検査基準改訂委員会:改訂臨床脳波検査基準2002.臨神生 31:221-242,2003

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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