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増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 生理機能
ABR検査の刺激でクリック,トーンバースト,トーンピップとよく聞きますが,どのようなものでしょうか
著者: 原田竜彦1
所属機関: 1国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.490 - P.491
文献購入ページに移動ABRの検査音に求められること
聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)は,音刺激によって頭皮上から得られる一連の聴性電位変動のうち潜時の短い反応(おおむね10ミリ秒程度まで)とされている.このため,刺激音も短時間にしないと誘発される波形も明瞭に捉えることがない.
一方,蝸牛では音の周波数別に異なる部位の神経細胞(有毛細胞)が刺激され,それぞれが別々に中枢へと伝達されていくため,周波数ごとに機能の評価をすることが重要であり,通常は聴力検査でも1つの周波数だけからなる純音が用いられる.しかし,刺激音は短くするほど周波数特異性が低く(幅広い周波数を含んだ状態に)なってしまう.
聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)は,音刺激によって頭皮上から得られる一連の聴性電位変動のうち潜時の短い反応(おおむね10ミリ秒程度まで)とされている.このため,刺激音も短時間にしないと誘発される波形も明瞭に捉えることがない.
一方,蝸牛では音の周波数別に異なる部位の神経細胞(有毛細胞)が刺激され,それぞれが別々に中枢へと伝達されていくため,周波数ごとに機能の評価をすることが重要であり,通常は聴力検査でも1つの周波数だけからなる純音が用いられる.しかし,刺激音は短くするほど周波数特異性が低く(幅広い周波数を含んだ状態に)なってしまう.
参考文献
●日本聴覚医学会用語委員会(編):日本聴覚医学会用語(2003.10.16.改訂).Audiol Jpn 46:638-673,2003
●青柳優:聴性定常反応(ASSR).Audiol Jpn 49:135-145,2006
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