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今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
HIV感染症
著者: 外島正樹1
所属機関: 1自治医科大学附属病院臨床感染症センター感染症科
ページ範囲:P.610 - P.613
文献購入ページに移動初診(診察)時症状・所見
患者は30歳代,男性.既往にうつ病,痔瘻がある.最近,−5kgの体重減少があった.3カ月に及ぶ発熱,咳嗽と呼吸困難感を認めたため近医を受診した.抗菌薬を処方されたが改善せず,夜間に当院の救急外来を受診した.施行した胸部CT検査で両側スリガラス様陰影(図1)を認めたため入院となった.
血圧120/75mmHg,脈拍95回/分,呼吸数20回,体温38.9℃,酸素飽和度(SatO2)93%.心肺異常なし.リンパ節腫大や肝脾腫大なし.口腔内に白苔を認めた.緊急で施行された喀痰塗抹抗酸菌染色は陰性,新型コロナウイルス(COVID-19) LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法も陰性であった.
患者は30歳代,男性.既往にうつ病,痔瘻がある.最近,−5kgの体重減少があった.3カ月に及ぶ発熱,咳嗽と呼吸困難感を認めたため近医を受診した.抗菌薬を処方されたが改善せず,夜間に当院の救急外来を受診した.施行した胸部CT検査で両側スリガラス様陰影(図1)を認めたため入院となった.
血圧120/75mmHg,脈拍95回/分,呼吸数20回,体温38.9℃,酸素飽和度(SatO2)93%.心肺異常なし.リンパ節腫大や肝脾腫大なし.口腔内に白苔を認めた.緊急で施行された喀痰塗抹抗酸菌染色は陰性,新型コロナウイルス(COVID-19) LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法も陰性であった.
参考文献
1)Watanabe T, Yasuoka A, Tanuma J, et al:Serum (1→3) β-D-glucan as a noninvasive adjunct marker for the diagnosis of Pneumocystis pneumonia in patients with AIDS. Clin Infect Dis 49:1128-1131,2009
2)外島正樹:ウエスタンブロット法によるHIV抗体検査の感度を,検査として,また臨床的にもどう考えればいいですか?.臨検 62:980-983,2018
3)Rodger AJ, Cambiano V, Bruun T, et al:Risk of HIV transmission through condomless sex in serodifferent gay couples with the HIV-positive partner taking suppressive antiretroviral therapy (PARTNER): final results of a multicentre, prospective, observational study. Lancet 393:2428-2438,2019
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