文献詳細
文献概要
今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
閉塞性黄疸
著者: 多田大和1
所属機関: 1自治医科大学附属病院臨床検査医学
ページ範囲:P.628 - P.632
文献購入ページに移動初診(診察)時症状・所見
患者は60歳代,女性.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.飲酒歴はなく,内服薬やアレルギーもなかった.1週間前から全身倦怠感が続いており,2日前に腹部の黄染と灰白色便が出現した.症状が改善しないため近医を受診すると,黄疸があるからすぐに大きな病院へ行くようにいわれ,自治医科大学附属病院を紹介された.患者は,いわれてみれば尿が濃いような気がしていた.受診まで発熱や腹痛はなかった.
診察では眼球結膜および顔面に黄染を認めた.腹部に圧痛はなく腫瘤も触れないが,瘙痒感があるようで,ひっかき傷を多数認めた.灰白色便と無痛性黄疸ということで,まずは癌による閉塞性黄疸を疑った.血液検査をオーダーし,結果が出るまでの間に腹部超音波検査を行うと肝内外胆管の拡張を確認できた.
患者は60歳代,女性.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.飲酒歴はなく,内服薬やアレルギーもなかった.1週間前から全身倦怠感が続いており,2日前に腹部の黄染と灰白色便が出現した.症状が改善しないため近医を受診すると,黄疸があるからすぐに大きな病院へ行くようにいわれ,自治医科大学附属病院を紹介された.患者は,いわれてみれば尿が濃いような気がしていた.受診まで発熱や腹痛はなかった.
診察では眼球結膜および顔面に黄染を認めた.腹部に圧痛はなく腫瘤も触れないが,瘙痒感があるようで,ひっかき傷を多数認めた.灰白色便と無痛性黄疸ということで,まずは癌による閉塞性黄疸を疑った.血液検査をオーダーし,結果が出るまでの間に腹部超音波検査を行うと肝内外胆管の拡張を確認できた.
参考文献
1)大澤進:非タンパク性窒素化合物.最新臨床検査学講座 臨床化学検査学(浦山修,戸塚実,奥村伸生,他編),医歯薬出版,pp205-223,2016
2)松下誠:酵素.最新臨床検査学講座 臨床化学検査学(浦山修,戸塚実,奥村伸生,他編),医歯薬出版,pp224-255,2016
3)小島隆,村田雅樹,澤田典均:肝細胞タイト結合,claudinと肝小葉.肝胆膵 55:45-54,2007
4)足立幸彦,諸岡留美:黄疸の成因と病態.胆道 23:174-180,2009
5)上硲俊法:研修医のための教育講座 ビリルビン代謝からみる黄疸の臨床.近畿大医誌 43:67-76,2018
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