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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻6号

2021年06月発行

文献概要

今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ

急性糸球体腎炎

著者: 岡林佑典1 横尾隆1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科

ページ範囲:P.676 - P.679

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初診(診察)時症状・所見

 患者は37歳,男性.既往歴,家族歴に特記すべきことなし.2週間ほど前に39℃台の発熱,咽頭痛などの感冒様症状が出現し,近医から総合感冒薬と抗菌薬が処方された.症状は一度軽快したが,3日前から全身倦怠感と肉眼的血尿が出現した.また,排尿回数と1回尿量の減少,下腿浮腫も自覚し,3日間で約5kgの体重増加を認めたことから東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科(以下,当科)を紹介され受診した.

 診察では血圧184/108mmHgと高血圧を認めた.また,眼瞼は浮腫状で下腿には圧痕性浮腫も認め,心音でⅢ音,呼吸音で下肺野に湿性ラ音を聴取した.胸部CTでは心拡大と胸腹水貯留を認めた.

参考文献

1)鈴木重伸:急性糸球体腎炎.専門医のための腎臓病学(下条文武監),医学書院,pp263-271,2009
2)上田善彦,佐藤英章,滝本寿郎:溶連菌感染後糸球体腎炎.腎生検病理アトラス(日本腎臓学会・腎病理診断標準化委員会,日本腎病理協会編),東京医学社,pp117-121,2010
3)尾田高志:感染関連糸球体腎炎に関する最近の知見.東京医科大学雑誌 73:355-363,2015
4)Nasr SH, Radhakrishnan J, D'Agati VD:Bacterial infection-related glomerulonephritis in adults. Kidney Int 83:792-803,2013
5)Satoskar AA, Parikh SV, Nadasdy T:Epidemiology, pathogenesis, treatment and outcomes of infection-associated glomerulonephritis. Nat Rev Nephrol 16:32-50,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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