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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻7号

2021年07月発行

文献概要

今月の特集 薬物療法に活用される検査

循環器薬物療法における臨床検査

著者: 永沼嗣1 難波貴之1

所属機関: 1防衛医科大学校病院循環器内科

ページ範囲:P.758 - P.765

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Point

●循環器系の薬物のなかで,抗不整脈薬は血中濃度の安全域が狭いことが知られている.血中濃度が低いと不整脈に対する治療効果に乏しくなる一方で,高いと心臓内外の副作用が出やすい.そのなかでも実臨床で多く血中濃度が測定されているのはアミオダロンとジギタリスである.薬物動態の基本事項とともに両薬剤の血中濃度測定の実際について解説する.

●従来,心不全の診断および重症度評価の一指標としてB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)とN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)が用いられてきた.これまではBNPのほうがより多く用いられていたが,新たな心不全治療薬であるアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)の登場により,今後はNT-proBNPを用いる機会が増えると考えられる.そのメカニズムなどについて“番外編”として解説する.

参考文献

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2)Yamada Y, Shiga T, Matsuda N, et al:Incidence and predictors of pulmonary toxicity in Japanese patients receiving low-dose amiodarone. Circ J 71:1610-1616,2007
3)日本循環器学会,日本TDM学会:日本循環器学会/日本TDM学会合同ガイドライン(2013-2014年度合同研究班報告)2015年度版 循環器薬の薬物血中濃度モニタリングに関するガイドライン,2015
4)上野和行,内海順子,石田保晴,他:ジゴキシンの副作用発現頻度に及ぼすTDMの寄与.病院薬学 21:105-108,1995
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6)McMurray JJ, Packer M, Desai AS, et al:Angiotensin-neprilysin inhibition versus enalapril in heart failure. N Engl J Med 371:993-1004,2014
7)日本心不全学会:血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療の留意点について(http://www.asas.or.jp/jhfs/topics/bnp201300403.html)(最終アクセス:2021年2月26日)
8)Myhre PL, Vaduganathan M, Claggett B, et al:B-Type Natriuretic Peptide During Treatment With Sacubitril/Valsartan: The PARADIGM-HF Trial. J Am Coll Cardiol 73:1264-1272,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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