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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻7号

2021年07月発行

文献概要

今月の特集 薬物療法に活用される検査

中枢神経薬物療法における臨床検査の活用

著者: 寺田整司1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学

ページ範囲:P.766 - P.772

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Point

●薬物血中濃度の測定は抗てんかん薬において特に重要である.“参考域の血中濃度”と“治療域の血中濃度”とは区別して考える必要がある.

●リチウムは過量投与による中毒を起こしやすいため,血中濃度測定が必須である.リチウム濃度を上昇させる要因も頭に入れておく必要がある.

●抗てんかん薬の副作用は,アレルギー機序が関与する急性初期反応,用量依存性の神経系への抑制作用,長期服用時にみられる慢性期の副作用に大別される.

●気分安定薬,抗うつ薬,抗精神病薬には,それぞれ特徴的な副作用プロフィールがあるので,それらを知っておく必要がある.

参考文献

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2)Patsalos PN, Berry DJ, Bourgeois BF, et al:Antiepileptic drugs--best practice guidelines for therapeutic drug monitoring: a position paper by the subcommission on therapeutic drug monitoring, ILAE Commission on Therapeutic Strategies. Epilepsia 49:1239-1276,2008
3)須貝拓朗,鈴木雄太郎,福井直樹,他:オーダーメイド精神科薬物療法をめざして SSRIによって惹起される副作用の予測は可能か?.精神誌 110:645-651,2008
4)有波浩,鈴木雄太郎:精神疾患患者の身体的健康と向精神薬の副作用について.臨精薬理 22:863-870,2019
5)Bauer M, Severus E, Möller HJ, et al:Pharmacological treatment of unipolar depressive disorders: summary of WFSBP guidelines. Int J Psychiatry Clin Pract 21:166-176,2017
6)Hasan A, Falkai P, Wobrock T, et al:World Federation of Societies of Biological Psychiatry (WFSBP) guidelines for biological treatment of schizophrenia, part 2: update 2012 on the long-term treatment of schizophrenia and management of antipsychotic-induced side effects. World J Biol Psychiatry 14:2-44,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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