臨床検査65巻9号

2021年09月発行

今月の特集 スポーツを支える臨床検査 スポーツに関連する各種病態

スポーツと女性性腺機能

著者： 楳村史織¹

所属機関： ¹京都府立医科大学産婦人科

ページ範囲：P.958 - P.964

Point

●女性の性周期は視床下部，下垂体，卵巣の協調で制御されている．それらのいずれかに異常をきたすと月経周期異常となる．

●過度の運動負荷や体重制限などを行っているアスリートでは，性腺ホルモン分泌機構の異常から月経周期異常や無月経となりやすい．

●低用量ピルは月経随伴症状を低減するのに有用であり，アスリートのパフォーマンス維持向上に貢献できる．

参考文献

1）思春期少女の肥満と性機能に関する小委員会：わが国思春期少女の体格，月経周期，体重変動，希望体重との相互関連について　アンケートによる．日産婦会誌　49：367-377，1997

2）日本産科婦人科学会（編）：産科婦人科用語集・用語解説集　改訂第4版，日本産科婦人科学会，2018

3）綾部琢哉，板倉敦夫（編）：標準産科婦人科学　第5版，医学書院，2021

4）日本産科婦人科学会，日本女性医学学会：女性アスリートのヘルスケアに関する管理指針，日本産科婦人科学会，2017

5）青野敏博，苛原稔（編）：産婦人科ベッドサイドマニュアル　第7版，医学書院，2018

6）Nattiv A, Loucks AB, Manore MM, et al：American College of Sports Medicine position stand. The female athlete triad. Med Sci Sports Exerc　39：1867-1882，2007

7）Mountjoy M, Sundgot-Borgen JK, Burke LM, et al：IOC consensus statement on relative energy deficiency in sport (RED-S): 2018 update. Br J Sports Med　52：687-697，2018

8）藤井知行，大須賀穣，尾林聡，他：平成27年度日本医療研究開発機構　女性の健康の包括的支援実用化研究事業　若年女性のスポーツ障害の解析とその予防と治療　若年女性のスポーツ障害の解析．日産婦会誌　68付録，2016

9）日本産科婦人科学会：OC・LEPガイドライン　2015年度版—低用量経口避妊薬，低用量エストロゲン・プロゲスチン，日本産科婦人科学会，2015