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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻10号

2022年10月発行

文献概要

増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 1章 血算

偽性血小板減少症の鑑別—ITPと診断する前に除外すべき疾患

著者: 高野勝弘1

所属機関: 1山梨大学医学部附属病院輸血細胞治療部

ページ範囲:P.1116 - P.1119

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血小板減少症の病態

 血小板は骨髄の巨核球によって産生される.巨核球は多倍体を有する巨細胞であり,巨核球系細胞の分化,成熟は肝臓および骨髄のstromal cellにより産生されるトロンボポエチンという増殖因子によって制御されている.巨核球の成熟時間は約5日と推定されており,末梢血に放出されてからの血小板寿命は約7〜10日,正常な末梢血血小板数は約15〜35×104/μLである.

 血小板減少は多様な疾患において認められ,その原因は①血小板破壊亢進や消費,②血小板の産生低下,③先天性血小板減少症,④血小板の分布異常,⑤血小板の喪失または希釈に分類できる.

参考文献

1)難病情報センター:特発性血小板減少性紫斑病(指定難病63)(https://www.nanbyou.or.jp/entry/303)(最終アクセス:2022年7月11日)
2)藤村欣吾:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の病態と治療.臨血 55:83-92,2014
3)高野勝弘:血小板数の低下する疾患・病態の鑑別.日血栓止血会誌 29:612-616,2018
4)HIT情報センター:ヘパリン起因性血小板減少症(http://www. hit-center.jp)(最終アクセス:2022年7月11日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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