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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻10号

2022年10月発行

文献概要

増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 2章 血球形態

抗凝固剤(EDTA)による骨髄標本の形態変化

著者: 大畑雅彦1 高崎将一2 朝比奈彩2

所属機関: 1前 横浜市立大学附属病院臨床検査部 2静岡赤十字病院検査部

ページ範囲:P.1136 - P.1139

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はじめに

 骨髄穿刺塗抹標本は生標本が望ましいが,検査室の対応,特に人的環境などの要因からエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)加骨髄液を用いる施設もある.最近,関連学会から一般的な造血細胞の標準化が報告され,形態学的特徴の整理がされている1).しかし,その標準化には標本作製の条件が一致していること,さらに背景として抗凝固剤入り骨髄液の影響について十分に把握していることも重要である.

 筆者は以前からEDTA加骨髄塗抹標本における細胞形態への影響2,3)を検討し,論じてきた4).本稿では,これらの知見を紹介し“EDTA加骨髄液の功と罪”を整理したい.

参考文献

1)日本検査血液学会標準化委員会:細胞分化連続画像(https://jslh-cs.com/difference.html)(最終アクセス:2022年5月5日)
2)高崎将一,他:骨髄塗抹標本における抗凝固剤の影響.医学検査 60:524,2011
3)高崎将一,他:MDS症例における好中球及び赤芽球の核クロマチン結節異常と核膜の形態学的異常の臨床的有用性.日検血会誌 13:156,2012
4)大畑雅彦:骨髄標本の作成法 薄層塗抹標本(ウエッジ標本).スタンダード検査血液学 第3版(日本検査血液学会編),医歯薬出版,pp129-131,2014
5)常名政弘,他:EDTA加骨髄液の功と罪.日検血会誌 19:74-81,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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