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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻10号

2022年10月発行

文献概要

増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 2章 血球形態

胸腹水の細胞形態のバリエーション

著者: 内田一豊1

所属機関: 1豊橋市民病院中央臨床検査室

ページ範囲:P.1156 - P.1159

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はじめに

 体腔液検査は,体腔液内に貯留してきた要因を明らかにするため,算定や細胞分類を行うことで適切な診断や治療に導いている.細胞分類については,日本臨床衛生検査技師会穿刺液検査標準化ワーキンググループ1)から穿刺液の検査法が提案され,細胞のカウントは計算盤などで行う方法が説明されている.また,自動血球分析装置を用いて体腔液などを測定できることも可能となった報告もある2)

 体腔液に出現する細胞は,何らかの反応性により組織球や中皮細胞が出現し,時には悪性細胞の浸潤も観察される.その細胞形態は判断が困難なことに遭遇することもある.

 本稿では,胸腹水の細胞形態のバリエーションとして良悪性の細胞所見について述べる.

参考文献

1)保科ひづる,他:穿刺液検査の検査法—細胞数と細胞分類を中心に〜胸水,腹水,心囊水,関節液,CAPD排液〜.医学検査 69:701-710,2020
2)内田一豊,他:悪性腫瘍細胞を見逃さないために—自動血球分析装置での悪性細胞の検出.日検血会誌 18:147-155,2017
3)羽原利幸,他:体腔液塗抹染色標本の観察部位が細胞分類に及ぼす影響について—標準化に向けた試み.医学検査 67:643-651,2018
4)古田則行,他:体腔液の細胞診.細胞診を学ぶ人のために 第6版(坂本穆彦編),医学書院,pp307-316,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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