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増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 3章 フローサイトメトリー
標識蛍光色素選択やコンペンセーションの注意点
著者: 小川恵津子1
所属機関: 1日本ベクトン・ディッキンソン株式会社バイオサイエンス事業部
ページ範囲:P.1164 - P.1167
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フローサイトメーターと蛍光標識モノクロナール抗体が市販化されてから40年近く経過している.当初はフルオレセインイソチアネート(fluorescein isothiocyanate:FITC)とフィコエリスリン(phycoerythrin:PE)による2カラー解析が主流であったが,その後,新しい蛍光色素が次々と開発され,造血器腫瘍細胞タイピングにおいてはマルチカラー化が進み,測定精度が飛躍的に向上している1).とりわけ,治療後の寛解状態を把握するために有効である微小残存病変の測定では,高感度検出が必要であるため,フローサイトメトリー法による6カラー以上のマルチカラー解析が推奨されている2,3).
本稿では主に造血器腫瘍細胞タイピングに使用されている標識蛍光色素の特徴と,パネル作製時に考慮すべき蛍光補正や蛍光染色パターンの広がり(スプレッド)について解説する.
フローサイトメーターと蛍光標識モノクロナール抗体が市販化されてから40年近く経過している.当初はフルオレセインイソチアネート(fluorescein isothiocyanate:FITC)とフィコエリスリン(phycoerythrin:PE)による2カラー解析が主流であったが,その後,新しい蛍光色素が次々と開発され,造血器腫瘍細胞タイピングにおいてはマルチカラー化が進み,測定精度が飛躍的に向上している1).とりわけ,治療後の寛解状態を把握するために有効である微小残存病変の測定では,高感度検出が必要であるため,フローサイトメトリー法による6カラー以上のマルチカラー解析が推奨されている2,3).
本稿では主に造血器腫瘍細胞タイピングに使用されている標識蛍光色素の特徴と,パネル作製時に考慮すべき蛍光補正や蛍光染色パターンの広がり(スプレッド)について解説する.
参考文献
1)宮崎年恭,他:日本および欧米におけるマーカー検査の内容.Cytometry Res 16:1-10,2006
2)Arroz M, et al:Consensus guidelines on plasma cell myeloma minimal residual disease analysis and reporting. Cytometry B Clin Cytom 90:31-39,2016
3)Rawstron AC, et al:A complementary role of multiparameter flow cytometry and high-throughput sequencing for minimal residual disease detection in chronic lymphocytic leukemia: an European Research Initiative on CLL study. Leukemia 30:929-936,2016
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