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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻10号

2022年10月発行

文献概要

増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 4章 凝固

未分画ヘパリンまたはヘパリン類似物質(低分子量ヘパリン・ダナパロイドナトリウム・フォンダパリヌクス)の混入によるAPTT延長

著者: 下村大樹1

所属機関: 1公益財団法人天理よろづ相談所病院臨床検査部

ページ範囲:P.1204 - P.1207

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ヘパリンの種類と用途

 ヘパリンはアンチトロンビン依存性に抗凝固作用(抗活性化Ⅹ因子:Ⅹa,抗トロンビン)を発揮する.ヘパリンの種類には,未分画ヘパリン,低分子量ヘパリン,ダナパロイドナトリウムおよびフォンダパリヌクスがあり,それぞれ抗Ⅹa/トロンビン作用の比率,半減期が異なる(表1).ヘパリンの用途は,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)の治療,血液透析・人工心肺などの体外循環装置使用時の血液凝固防止,血管カテーテル挿入時の血液凝固防止,静脈内留置ルートの血液凝固防止,血栓塞栓症(静脈血栓症,心筋梗塞症・肺塞栓症・脳塞栓症・四肢動脈血栓塞栓症・手術中・術後の血栓塞栓症など)の治療および予防など多岐にわたる.

参考文献

1)下村大樹,他:未分画ヘパリン混入検体におけるプロタミン補充活性化部分トロンボプラスチン時間の方法と有用性.日検血会誌 10:175-181,2009
2)松田将門,他:液剤の硫酸プロタミンを用いた簡便かつ効果的なプロタミン補充APTTの測定手順の検討.臨病理 65:640-645,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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