icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻10号

2022年10月発行

文献概要

増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 4章 凝固

—FDPやDダイマーの上昇—採血不良

著者: 高田章美1

所属機関: 1公益財団法人天理よろづ相談所病院臨床検査部

ページ範囲:P.1244 - P.1247

文献購入ページに移動
はじめに

 フィブリノゲン/フィブリン分解産物(fibrinogen/fibrin degradation products:FDP),Dダイマーは播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)や血栓症などのさまざまな疾患において高値を示す.しかし,まれに患者の病状や時系列結果から考えにくい検査値の上昇がみられ,偽高値を疑う症例に遭遇することがある.その原因として,採血手技の不備によるクエン酸ナトリウム(sodium:Na)血漿検体(以下,検体)の凝固による影響があり,まれであるが免疫学的測定の非特異反応による関与も考えられる.特に,凝固検査においては血液が凝固した検体での測定は不適切であることは周知の事実であり,検体が適切であると判断することが重要である.

 本稿では,採血手技によるFDP,Dダイマー偽高値の原因や対処方法について紹介する.

参考文献

1)高田章美,他:血漿検体を用いて測定したFDPおよびD-ダイマー偽高値の原因.日臨検自動化会誌 30:721-726,2005
2)高田章美:Q FDPやDダイマーの偽高値の原因は?.Med Technol 44:900-901,2016
3)甲田祐樹,他:LPIAジェネシスDダイマー試薬の基礎的検討および採血管内凝固によるDダイマー測定値への影響に関する検討.日検血会誌 20:43-51,2019
4)木村朋子,他:EDTA血漿を用いたFDP測定の基礎的検討と微量検体への適応.日臨検自動化会誌 29:584-588,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?