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増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 4章 凝固
不適切な遠心処理による血漿中残存血小板が凝固検査,特にLA検査に及ぼす影響
著者: 小宮山豊1 松田将門2
所属機関: 1北陸大学医療保健学部 2福島県立医科大学保健科学部臨床検査学科
ページ範囲:P.1260 - P.1263
文献購入ページに移動活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)やプロトロンビン時間(prothrombin time:PT)など凝固時間検査(以下,凝固検査)は止血異常の有用なスクリーニング検査であるが,その標準化や精度保証はいまだ不十分である.特に遠心処理など検査前処理がどのように凝固検査結果に影響するかについて臨床検査技師や医師の知識や理解は不十分な部分があり,わが国ではこれらの議論に関するガイドラインも規定されていなかった.そのため,日本検査血液学会は,凝固検査の精度保証を目指した第一歩として「凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス」(以下,コンセンサス)を邦文と英文で作成し,適正な検査前処理の普及に努めている1,2).
本稿では,①凝固検査が血小板由来のリン脂質の影響を受ける検査であること,②遠心処理後の血漿検体には血小板が残存しない前提で検査診断は進むが不十分な遠心処理では凝固検査に影響する血漿中残存血小板が存在すること,③院内で求められる迅速検査に対応しようと高速遠心処理してしまうとトロンビン活性化を招くこと,これらに対する不理解と現実を提示し,不適切な遠心処理を改善することによる血液検査結果乖離防止法を提示する.
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