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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻10号

2022年10月発行

文献概要

増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか 4章 凝固

ヘマトクリットが凝固検査データに与える影響

著者: 谷田部陽子1

所属機関: 1慶應義塾大学病院臨床検査科

ページ範囲:P.1268 - P.1271

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はじめに

 凝固検査は,不安定な凝固因子を含む多数の因子が複雑に絡み合い活性化する凝固カスケードを測定する検査である.採血から測定前までにはいくつかの注意事項があり,それを怠ると測定結果に影響する恐れがある.凝固検査には,抗凝固剤としてクエン酸ナトリウムが添加されている採血管を用いる.クエン酸ナトリウムと血液の割合は1:9と決められており,規定量の血液を過不足なく採血管に採取しなければならない.しかし,規定量が守られたとしても,ヘマトクリット(hematocrit:Ht)値により抗凝固剤との割合が不適となるケースがある.

 本稿では,その原因と対策について解説する.

参考文献

1)渡邊卓:採血量の過不足.標準採血法ガイドライン(GP4-A3)(JCCLS日本臨床検査標準協議会,JCCLS標準採血法検討委員会編),日本臨床検査標準協議会,p34,2019
2)家子正裕,他:凝固検査用サンプル取扱い標準化に関する提言.日検血会誌 17:85-92,2016
3)Arkin CF, et al:Collection, Transport, and Processing of Blood Specimens for Testing Plasma-Based Coagulation Assays and Molecular Hemostasis Assays; Approved Guideline, 5th ed. CLSI document H21-A5, CLSI, Wayne PA,2008
4)小宮山豊:凝固検査用サンプル取扱いの標準化.日血栓止血会誌 27:623-630,2016
5)内場光浩:実臨床における凝固線溶検査のピットフォール.日血栓止血会誌 29:28-34,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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