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文献概要
WITHコロナにおける検査室の感染対策・9
健診部門における感染対策
著者: 林京子1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院新橋健診センター
ページ範囲:P.1352 - P.1356
文献購入ページに移動はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症パンデミックによって2020年4月7日に東京,神奈川,埼玉,千葉,大阪,兵庫,福岡の7都府県に緊急事態宣言が出され,さらには同16日に対象が全国に拡大された.東京慈恵会医科大学附属病院新橋健診センター(以下,当センター)では2020年4月6日から6月20日まで全ての健診業務を中止した.再開に当たっては,病院感染対策部の協力のもとで,来院前・来院時のトリアージや実際の業務中の対応について厳密な取り決めが行われた.2020年6月22日に定期健診業務,7月1日に人間ドック業務を再開した.特にエアロゾルが危惧された眼圧検査,内視鏡検査,呼吸機能検査のうち,眼圧検査は9月に,内視鏡検査は10月に再開した.
毎年,国内で新規にがんと診断されるのは100万人ほどである.厚生労働省の全国がん登録(罹患数・率)報告(2019年)1)によると,がん検診・健康診断・人間ドックによって発見されたがんの比率は,前立腺(25.7%),乳房(女性のみ,24.9%),胃(19.3%),大腸(18.6%)などである.つまり,がん患者の約4〜6人の1人ががん検診や健康診断などをきっかけに発見されていることになる.しかし,COVID-19の拡大による外出自粛や,感染リスクへの不安などから,この数年間はがん検診や健診の受診を控える傾向にある.健診の受診を控えた結果,疾患を早期に発見できず,病気が進行する恐れもある.したがって,コロナ禍においても,病気の早期発見,早期治療のためにもCOVID-19に対する徹底した感染対策を行い,できるだけ多くの方に安心して健診を受けてもらうことが重要である.
本稿では,日本人間ドック学会の勧告や健診関連団体の「健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策」2),さらに,東京慈恵会医科大学附属病院(以下,当院)の感染対策部からの意見をもとに決定した,当院の健診部門における感染予防対策について紹介する.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症パンデミックによって2020年4月7日に東京,神奈川,埼玉,千葉,大阪,兵庫,福岡の7都府県に緊急事態宣言が出され,さらには同16日に対象が全国に拡大された.東京慈恵会医科大学附属病院新橋健診センター(以下,当センター)では2020年4月6日から6月20日まで全ての健診業務を中止した.再開に当たっては,病院感染対策部の協力のもとで,来院前・来院時のトリアージや実際の業務中の対応について厳密な取り決めが行われた.2020年6月22日に定期健診業務,7月1日に人間ドック業務を再開した.特にエアロゾルが危惧された眼圧検査,内視鏡検査,呼吸機能検査のうち,眼圧検査は9月に,内視鏡検査は10月に再開した.
毎年,国内で新規にがんと診断されるのは100万人ほどである.厚生労働省の全国がん登録(罹患数・率)報告(2019年)1)によると,がん検診・健康診断・人間ドックによって発見されたがんの比率は,前立腺(25.7%),乳房(女性のみ,24.9%),胃(19.3%),大腸(18.6%)などである.つまり,がん患者の約4〜6人の1人ががん検診や健康診断などをきっかけに発見されていることになる.しかし,COVID-19の拡大による外出自粛や,感染リスクへの不安などから,この数年間はがん検診や健診の受診を控える傾向にある.健診の受診を控えた結果,疾患を早期に発見できず,病気が進行する恐れもある.したがって,コロナ禍においても,病気の早期発見,早期治療のためにもCOVID-19に対する徹底した感染対策を行い,できるだけ多くの方に安心して健診を受けてもらうことが重要である.
本稿では,日本人間ドック学会の勧告や健診関連団体の「健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策」2),さらに,東京慈恵会医科大学附属病院(以下,当院)の感染対策部からの意見をもとに決定した,当院の健診部門における感染予防対策について紹介する.
参考文献
1)厚生労働省健康局がん・疾病対策課:平成31年(令和元年) 全国がん登録 罹患数・率 報告,厚生労働省,pp21-42,2019(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000942181.pdf)(最終アクセス:2022年8月2日)
2)日本総合健診医学会,日本人間ドック学会,結核予防会,他:健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策について(令和4年3月18日改正),2022(https://jhep.jp/jhep/sisetu/pdf/coronavirus_32.pdf)(最終アクセス:2022年8月2日)
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