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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査66巻4号

2022年04月発行

雑誌目次

増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン

序文 フリーアクセス

小谷 敦志

pp.325

 今回の「臨床検査」66巻4号(増大号)では,実践で役立つ心エコー検査の技術本を企画しました.

 心エコー検査中の検者の頭の中では,得られたエコー所見の取捨選択を行いつつ,必要なエコー断面を描出,有意な所見を累積しながら正確なエコー診断を行おうとしています.ただ,類似する疾患をエコーで鑑別することは困難と言わざるを得ません.

総論

基本断面

山本 真大

pp.328-334

胸骨左縁左室長軸断面(図1)

 左側臥位で第3肋間または第4肋間の胸骨左縁に探触子を置いて,左室の長軸に沿って描出する.左室内径が最も大きく,かつ心室中隔と大動脈前壁がほぼ同じ高さになるように描出する.左室を水平に描出できなければ,上位肋間から観察するか,左側臥位をより深くする.左室の中心を描出できていれば,乳頭筋や腱索はあまりみえない.

 大動脈の描出では上位肋間からの観察が適している場合がある.計測する部位によって肋間や呼吸を調節して断面を描出する.

基本計測と時相

山本 真大

pp.335-347

大動脈径(図1)

 大動脈径の計測には,大動脈弁輪径,Valsalva洞径,ST junction径,上行大動脈径がある.

 胸骨左縁左室長軸断面で大動脈径の計測を行うが,計測部位が全て描出されない場合は高位肋間アプローチ(第2肋間または第3肋間)に切り替えて各計測を行う.

遭遇する可能性が高い構造物やアーチファクト

小谷 敦志

pp.348-353

左室にみられるもの

仮性腱索(pseudo tendon)・偽腱索(false tendon)(図1)

 僧帽弁と乳頭筋をつなぐ腱索とは異なり,弁と接合せず心室壁間や乳頭筋と心室壁などを接続する腱索様の索状組織を仮性腱索(pseudo tendon)あるいは偽腱索(false tendon)という1).仮性腱索は,心室中隔基部から前後乳頭筋側に心室内を長軸方向に斜走するように付着することが多い.仮性腱索の接続箇所や太さは個々で異なり多様である.

各論(心エコー類似所見別または病態別) 1章 弁膜疾患

大動脈弁狭窄症

木村 尚貴

pp.354-362

基礎知識

 大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)は種々の原因で大動脈弁の開放が制限され,全身への血流駆出障害が起こる疾患である.その原因は先天性,リウマチ性,硬化性に大別され,近年では加齢に伴う硬化性ASが大半を占める.一般的には重症度が進行しないと症状は顕在化しにくく,症状が現れれば予後は不良である.ASの症状に胸痛や失神があるが,疾患特異的なものではない.AS根治は原則として弁置換術であるが,開胸手術(surgical aortic valve replacement:SAVR)に加えて,近年ではカテーテル法(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)などの低侵襲手術も広がってきている.

大動脈弁閉鎖不全症/大動脈弁逆流症

山本 将司

pp.363-373

基礎知識

 大動脈弁閉鎖不全症/大動脈弁逆流症(aortic regurgitation:AR)は先天性または後天性の異常により弁尖の接合不全が生じて逆流がみられる状態である.その機序は,弁自体に原因がある場合と,上行大動脈基部の拡大により弁尖間の接合が浅くなり逆流が生じる場合がある(表1)1)

 また発生機序によって慢性ARと急性ARに分けられる.慢性ARは,経過が穏やかで大多数は無症状で経過するが,長期間ARが続くことで左室の代償機構は破綻して症状がみられてくる.一方,急性ARは,感染性心内膜炎,大動脈解離,外傷による弁破壊などで,内科的にコントロールが困難な場合が多く,外科治療の適応を早急に検討する場合がある.

僧帽弁狭窄症

玉井 佑里恵

pp.374-381

基礎知識

 僧帽弁狭窄症(mitral valve stenosis:MS)は,弁狭窄により左房から左室への血流の流入が障害される疾患である.MSの主病因はリウマチ熱の罹患によるリウマチ性MSで,約80%の患者は女性である1).しかしながら,わが国を含めた先進国では抗菌薬の普及によってリウマチ性MSに遭遇する機会は減少している.一方で,高齢者や透析患者でみられる僧帽弁輪石灰化による非リウマチ性(退行性)MSが増加している.その他,まれではあるが先天性の僧帽弁形態異常に伴うものがある.身体所見としては,Ⅰ音の亢進,肥厚・硬化した僧帽弁が開放することによって生じる拡張早期の高調な僧帽弁開放音,心尖部で低調な拡張期ランブルを聴取するが,狭窄が進行し弁の可動性が著しく低下すると僧帽弁開放音は消失する(silent MS).心電図では,左房負荷を反映したⅠ・Ⅱ誘導における二峰性の幅広いP波(僧帽性P波),V1誘導での幅広い陰性P波,心房細動などの所見がみられる.

僧帽弁逆流症

橋口 遼

pp.382-392

基礎知識

 僧帽弁逆流症(mitral regurgitation:MR)の機序は,僧帽弁弁尖,腱索,乳頭筋,左室や左房の異常であり,これらが単独,または複合して生じる.原因疾患はさまざまであり発展途上国ではリウマチ性のMRが多いが,先進国ではリウマチ熱の減少により頻度は少なく,僧帽弁逸脱症や高齢者による弁変性から生じる器質性MRが多い.症状は息切れ,浮腫,呼吸困難を主訴とし,無症状であれば健診での心雑音の指摘や胸部X線での心拡大,心電図異常を契機に発見されることが多い.身体所見として,左室拡大に伴い心尖拍動が左下方向へ偏位することや,全収縮期雑音とⅢ音が特徴的であり,収縮後期に逆流が増大する僧帽弁逸脱例では,収縮後期に強くなる全収縮期雑音や収縮後期雑音を呈する.また収縮期クリックは僧帽弁逸脱の特徴的所見である.

三尖弁の異常

柳 善樹

pp.393-401

基礎知識

 三尖弁は前尖,後尖,中隔尖の3枚の弁葉からなる.前尖は半円状で3つの弁尖のうちで最も大きいとされる.後尖は自由縁に切れ込みを有してscallopを形成することが多く,約半数の症例において後尖は複数の弁葉から構成されると報告される1,2)

 三尖弁閉鎖不全症(tricuspid regurgitation:TR)の成因は,三尖弁自体が原因の一次性と,弁尖自体の変性は乏しく弁輪拡大や右室拡大などに伴うtetheringが原因の二次性に大別される.TRの成因の多くは二次性(70〜90%)が原因である3).右心不全症状を主体とするが,左心不全と比較すると自覚症状の乏しいことが多く,高度TRであっても無症状であることも少なくない.収縮期雑音の聴取は重要であり,特に吸気時に雑音が増強するRivero-Carvallo徴候は特徴的な聴診所見である.

 三尖弁狭窄症(tricuspid stenosis:TS)はまれである.多くはリウマチ性で単独のTSはまれであり,多くは僧帽弁狭窄症を合併する.その他の原因としては,カルチノイド症候群,先天性,ペースメーカ(pacemaker:PM)リードとの癒着や腫瘍などが挙げられる.

人工弁の異常

柳 善樹

pp.402-412

基礎知識

 弁膜症の外科的治療において,弁形成が困難な場合に使用される人工弁は機械弁と生体弁に大別される.わが国では人工弁の選択は年齢によって表1のように推奨されている.しかし,年齢だけではなく,抗凝固治療が十分に行えない患者や挙児希望の女性は生体弁を,すでに他の弁が機械弁に置換されている場合は機械弁を選択するなど,患者の背景を十分に鑑みて人工弁の選択がされる1).さらに近年では,経カテーテル的大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)が広く普及しており(OPA①),高齢者や開胸手術困難例に施行されている.人工弁置換術後は,discや弁尖の性状および可動性の評価や人工弁周囲に異常構造物付着がないかなどの形態評価に加えて,人工弁機能不全の有無やその成因などの血行動態的評価が必要であり,心エコー図での評価項目は多岐にわたる.そのため,人工弁置換術後症例は一生涯,経過観察される必要がある2)

各論(心エコー類似所見別または病態別) 2章 左室拡張機能障害

HFrEFとHFpEF

橋口 遼

pp.413-421

基礎知識

 心不全とは,“心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し,それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群”と定義される1)

 心不全の原因疾患は多岐にわたり,左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)が40%未満であればHFrEF,LVEFが50%以上のものをHFpEFと分類し,その境界となるLVEF 40〜50%のものをHFmrEF(heart failure with mid-range ejection fraction)と呼ぶ.LVEFの保たれたHFpEFもHFrEFと生命予後に大きな差がないという結果が出ており2),HFpEFの診断は重要となる(OPA①).

各論(心エコー類似所見別または病態別) 3章 心筋症/心筋炎

肥大型心筋症

玉井 佑里恵

pp.422-432

基礎知識

 肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy:HCM)は高血圧や弁膜症などの心肥大をきたす原因がなく,左室や右室の心筋に非均等型の肥大を呈する疾患である1).HCMは最大壁厚が30mm以上は突然死のリスクとなる2).HCMの約60%が常染色体優性遺伝による家族性であり,主にサルコメア遺伝子変異によって発症する3).HCMでみられる主な症状としては,労作時息切れや呼吸困難感,胸痛,動悸,立ち眩みや失神などの脳虚血症状などが挙げられる.左室流出路狭窄を有する例では駆出性収縮期雑音,僧帽弁収縮期前方運動(systolic anterior motion:SAM)による僧帽弁逆流(mitral regurgitation:MR)を合併すると逆流性収縮期雑音を聴取する.心電図では,左室胸部誘導の高電位,異常Q波,ST-T変化などがみられ,なかでもV3〜V5を中心とした誘導での高電位を伴う1.0mV以上の対称性巨大陰性T波は心尖部肥大型心筋症(apical hypertrophic cardiomyopathy:APH)の特徴的所見である.

肥大を伴う類似病変

玉井 佑里恵

pp.433-442

はじめに

 全身疾患に伴う二次性心筋症のうち肥大型心筋症に類似した表現型を呈し,鑑別を要する疾患として,アミロイドーシス,Fabry病,ミトコンドリア心筋症,急性心筋炎などが挙げられる.本稿では,これらの心筋症の特徴について解説する.

拡張型心筋症

谷口 京子

pp.443-448

基礎知識

 拡張型心筋症は“左室のびまん性収縮障害と左室拡大を特徴とする疾患群”と定義される1).拡張型心筋症の発症には遺伝子異常やウイルス感染,免疫異常などの関与が考えられており,20〜40%が遺伝性であると報告されている.確定診断には,類似疾患や種々の二次性心筋症を除外する必要があり,経過や家族歴,身体所見,血液検査,冠動脈造影検査,心臓MRI検査,心筋生検,遺伝子検査などを総合的に判断する1)(表1).拡張型心筋症の有病率や予後については正確な報告がいまだなされておらず,基本病態は慢性心不全症状を特徴とし急性増悪を繰り返す予後不良・進行性の疾患である.

心室の収縮性が低下する病変

谷口 京子

pp.449-457

はじめに

 本稿では,心室の収縮性が低下する二次性心筋症について解説する.拡張型心筋症に類似する疾患群における心エコー検査では心臓の形態や血行動態を評価し,類似心筋症の特徴を理解しておくことが大切である.心エコーの見た目だけでは鑑別が困難であることが多く,患者背景や病歴などが診断には必要である.類似する疾患には心サルコイドーシス,左室心筋緻密化障害(left ventricular noncompaction:LVNC),周産期心筋症,頻脈誘発性心筋症(tachycardia induced cardiomyopathy:TIC),アルコール性心筋症(alcoholic cardiomyopathy:ACM)などがある.

各論(心エコー類似所見別または病態別) 4章 虚血性心疾患

急性心筋梗塞

北出 和史

pp.458-470

基礎知識

 冠動脈に狭窄,閉塞が生じて冠血流の低下をきたし心筋への需要と供給バランスが崩れると心臓に障害が生じる.この状態を虚血性心疾患と呼ぶ.発症から2週間以内を急性心筋梗塞(24時間以降2週間までを亜急性心筋梗塞とする場合もある),1カ月以上経過したものを陳旧性心筋梗塞とすることが多い.急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)は冠動脈プラークが破綻して冠動脈内に血栓が生じ閉塞させてしまう急性疾患であり,急性心筋梗塞もこれに含まれる1).心筋梗塞の時間経過は,冠動脈閉塞の約30分後から末梢側から心筋壊死が生じ,心内膜面から始まり心外膜側に広がる.約6〜24時間で貫壁性梗塞(心筋全層)となる.冠動脈が閉塞すると冠血流が低下→心筋代謝異常→拡張機能障害→壁運動低下→左室拡張末期圧上昇→心電図変化→胸部症状が生じ,時間経過とともに起こるこれらの現象を心筋虚血カスケードと呼ぶ.

各論(心エコー類似所見別または病態別) 5章 高心拍出性心不全

高心拍出性心不全

柳 善樹

pp.471-475

基礎知識

 心不全患者の多くの心拍出量(cardiac output:CO)は正常か低下しているが,CO高値にもかかわらず,浮腫や労作時息切れなどの心不全兆候を呈する症例も存在し,それらは高心拍出性心不全〔CO>8.0L/min,心係数(cardiac index:CI)>4.0L/min/m2〕といわれる.心不全症状を有し左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)が保持された心不全においては,鑑別として高心拍出性心不全も考慮する必要がある.COの計測を行ってこれを疑うことは重要であり,そのなかでも心エコーの役割は重要である.

 高心拍出性心不全は体血管抵抗(systemic vascular resistance:SVR)の低下によって生じるとされ,肥満,貧血,甲状腺機能亢進症や脚気など種々の疾患が要因となる1,2)(表1).

各論(心エコー類似所見別または病態別) 6章 心膜・心囊腔異常

心膜の異常

橋口 遼

pp.476-486

はじめに

 心膜とは心臓を覆う膜であり,心臓の固定や保持,心臓の動きに伴う摩擦を防ぐ役割をしている.心膜には心筋の内腔側を覆う心内膜と心筋の外側と脂肪組織(心外膜下脂肪)を覆う臟側心膜(心外膜)があり,この臟側心膜は心臓より上部で翻転し壁側心膜となり再び心臓を覆う.臟側心膜と壁側心膜の間の腔を心膜腔といい,この外側をさらに強固な線維性心膜(心囊)が覆う.線維性心膜は壁側心膜と一体となっており,さらにこれらの外側を心膜外脂肪組織が取り巻く構造をしている(図1).

各論(心エコー類似所見別または病態別) 7章 肺高血圧疾患

右心負荷病変

木村 尚貴

pp.487-497

はじめに

 右心負荷には大きく分けて圧負荷と容量負荷がある.圧負荷は後負荷増大による右室圧上昇を引き起こす病態で,主に肺高血圧やそれを引き起こす疾患が原因となる.第6回世界肺高圧症シンポジウムではPHの診断は右心カテーテル検査で平均肺動脈圧(mean pulmonary artery pressure:mean PAP)≧20mmHg,肺血管抵抗(pulmonary vascular resistance:PVR)≧3WU(Wood units)と改定された1).一方,容量負荷は短絡疾患や高度三尖弁逆流などによる右室容量増大に伴う病態である.容量負荷の原因となる先天性疾患や三尖弁疾患については,それぞれの項目を参照していただきたい.

 本稿では肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)そのもの(表1)2,3)や,それを引き起こす肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を圧負荷疾患として取り上げる.また,容量負荷疾患として不整脈源性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy:ARVC)を取り上げる.

各論(心エコー類似所見別または病態別) 8章 心内構造物

心臓内腫瘤

谷口 京子

pp.498-505

はじめに

 心臓内の異常構造物をみつけた際には,その好発部位や見た目の特徴が鑑別には重要である.本稿では,良性腫瘍で頻度の高い心臓粘液種,乳頭状線維弾性腫(papillary fibroelastoma:PFE)とCAT(calcified amorphous tumor)と呼ばれる石灰化病変,悪性腫瘍で最も多い心臓肉腫について,鑑別の鍵となる所見や診断に必要な断面描出のための工夫などを解説する.時間分解能に優れている心エコーは,特に動きのある腫瘤の評価には重要な役割を占めており,エコーの所見が治療方針や手術に直結するためその役割は重要である.

感染性心内膜炎

山本 将司

pp.506-514

基礎知識

 感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)は全身性敗血症性疾患である.弁や心内膜,心臓デバイスに細菌集簇を含む疣腫(vegetation)を形成し,菌血症,心障害,血管塞栓などの多彩な臨床症状を呈する.IEは通常何らかの基礎心疾患(背景心疾患)をもつ例に発症することが多い(表1).自己弁に生じたIEの55〜75%は弁膜症や先天性心疾患などの基礎心疾患を有するか,あるいは静注麻薬の使用例である1).IEの原因菌は,わが国の先天性心疾患を対象とした多施設調査解析結果2)によるとレンサ球菌(Streptococcus属)が51%と最も多く,次いでブドウ球菌(Staphylococcus属)が37%と多い.IEを発症すると致死的合併症をきたして重篤な転帰をたどる場合があるため,早期診断が求められる.

非感染性疣腫

谷口 京子

pp.515-523

はじめに

 心臓内に認める心内膜炎に非細菌性血栓性心内膜炎(non-bacterial thrombotic endocarditis:NBTE)やLibman-Sacks心内膜炎がある.見た目は感染性心内膜炎や腫瘤と似ているが,基礎疾患や原因は異なる.その成因と原疾患を理解し,原因不明の脳梗塞や担がん患者,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)の症例では,これらの病態を念頭に置いて検査を進める必要がある.特に,近年の高齢化社会では担がん患者の増加を背景にしてNBTEの評価が必要となる機会は増えると思われる.

各論(心エコー類似所見別または病態別) 9章 先天性疾患

心房中隔欠損症

山本 将司

pp.524-532

基礎知識

 心房中隔は発生段階で一次中隔とそれに引き続き発達する二次中隔から形成される.心房中隔欠損症(atrial septal defect:ASD)は,その発生過程で心房中隔に欠損孔を生じる短絡疾患である.ASDは先天性心疾患の7〜13%,40歳以上の先天性心疾患の35〜40%を占める1).欠損部位によって二次孔欠損,一次孔欠損,静脈洞欠損(上位型,下位型),冠静脈洞(coronary sinus:CS)欠損に分類され,二次孔欠損が約75%と最も多い.5mm以下の小欠損孔は自然閉鎖率が高いが,小児期で8〜10mm以上の欠損孔症例は,ほとんど自然閉鎖しない.

 ASDの画像診断において経胸壁心エコー図検査は最初に施行すべき検査である.二次孔欠損の治療においては,2005年からわが国に導入された経皮的ASD閉鎖術が外科的閉鎖術と並ぶ標準的治療となっている.

心室中隔欠損症(VSD)

小谷 敦志

pp.533-540

基礎知識1〜4)

 心室中隔欠損症(ventricular septal defect:VSD)は心室中隔に欠損孔を生じる先天性心疾患であり,欠損孔を通じた左右短路(シャント)疾患である.聴診では胸骨左縁第2〜4肋間に汎収縮期雑音を聴取し,スリルを触知することがある.出生1,000人当たり1.56〜53.2人に生じ,先天性心疾患の約30%を占め最も頻度が高い.膜様部欠損(後述)の約70%が自然閉鎖し,多くは乳児期のうちに閉鎖するが,両大血管直下(後述)は原則として自然閉鎖しない.欠損孔が大動動弁輪径と同等の大欠損あるいは大動脈弁輪径の約1/2の中欠損がある5).中欠損では体重増加不良,呼吸器症状のため乳幼児期に手術が行われる.大動脈弁輪径の1/3以下の小欠損は右室圧や肺動脈圧の上昇がなく,肺体血流比(Qp/Qs)<1.5(短絡量33%)では無症状に経過するのが一般的であるが,感染性心内膜炎,心不全,不整脈などの合併症や,長期にわたる左心室容量負荷が心機能低下を招く可能性に注視する.

大動脈の先天性異常

山本 真大

pp.541-552

動脈管開存(PDA)

基礎知識

 動脈管は原始大動脈弓の左第6弓によって形成される肺動脈と大動脈弓をつなぐ血管である.胎児循環では右心から拍出される血液の約60%は動脈管を通って下行大動脈へ流れる.出生後の数時間は両方向短絡が超音波で検出され,通常は12〜15時間以内に機能的閉鎖が起こるが,自然閉鎖せず開存状態を維持した場合に動脈管開存(patent ductus arteriosus:PDA)となる.原因として低出生体重児や先天性風疹症候群などがある.頻度は,2019年の国内での調査1)では先天性心疾患の9.9%を占め,3番目の頻度であった.出生に対しては0.12%であり,女性に多い.連続的な左右短絡を生じ,肺血流量増加による左心系容量負荷を認める.短絡量が少ない場合は無症状であるが,多くなれば肺高血圧症を伴い,高度になれば両方向短絡や右左短絡(Eisenmenger症候群)となる(「心室中隔欠損症」の項参照).

ファロー四徴症術後

柳 善樹

pp.553-559

基礎知識

 ファロー四徴症(tetralogy of Fallot:TOF)は,①心室中隔欠損(ventricular septal defect:VSD),②右室流出路狭窄,③右室肥大,④大動脈騎乗の4徴を呈する1).これら4徴は流出路中隔が前方へ偏位することにより,大きなVSD・大動脈の騎乗と右室流出路狭窄を認め,右室流出路や肺動脈弁狭窄のため右室肥大を呈する(図1).TOFは全先天性心疾患の約10%を占め,術後の予後も比較的良好であるため,術後症例に遭遇する頻度は,さらに増加すると予想される.本疾患に対する心内修復術は,VSD閉鎖と右室流出路狭窄の解除を主とする.VSDを閉鎖し,右室流出路や肺動脈弁の拡大を行い,肺動脈弁狭窄の程度に応じて肺動脈弁輪を温存する手法や肺動脈弁輪を縦切開し,パッチを当てる手法などがある2).そのため,術後は残存短絡の有無や肺動脈弁逆流・狭窄の評価および右室機能の評価が重要となる.緩徐に進行する右心不全を主徴とし,自覚症状が乏しいことも多い.動悸や失神なども代表的な症状に挙げられ,多くは右脚ブロックを呈しQRS幅が広いほど,突然死や心室頻拍の割合が多いとされている3)(図23)).

房室中隔欠損症(AVSD)

小谷 敦志

pp.560-564

基礎知識1,2)

 房室中隔欠損症(atrio-ventricular septal defect:AVSD)は心内膜床欠損(endocarpdial cushion defect:ECD)や共通房室弁口などと呼称されてきたが,現在ではAVSDに統一されている.AVSDは,僧帽弁と三尖弁が5つの弁葉によって形成される共通房室弁であり,房室弁が付着する心房心室中隔組織の欠損を伴う.形態によって完全型と不完全型に分類され,完全型のほうが不完全型よりも多い.Down症候群の約40%が先天性心疾患を合併し,それらの40%は完全型である.完全型の場合,房室弁逆流,肺高血圧症などにより長期生存は困難ため,成人の心エコー検査で初めて発見されるAVSDは不完全型がほとんどである.心電図では刺激伝導路の欠損による心房粗細動,房室ブロックを認めるが,心房中隔欠損症(atrial septal defect:ASD)と異なり左軸偏位を認めることが特徴的である.

巻末付録

心エコー基準値

山本 真大

pp.565

心エコー基準値について,ASE/EACVIによる「心腔計測におけるガイドライン」1)(表内表記:A/E)と日本人を対象とした「The JAMP study」2)(2SD表記)(表内表記:J)を参考に記載する.記載した基準値ついては,今後もさまざまな研究報告により更新されていくことが予想される.計測された数値は,計測断面や計測方法に問題がないかを確認し,患者の体型,年齢,既往などを考慮して総合的に判断する必要がある.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!
今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値

62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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