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文献詳細

雑誌文献

臨床検査67巻1号

2023年01月発行

文献概要

今月の特集2 生殖医療への貢献

胚培養士の現状と課題—生殖医療の歴史をさかのぼって

著者: 福田愛作1

所属機関: 1IVF大阪クリニック

ページ範囲:P.64 - P.69

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Point

●体外受精で培養室を担当する技術者は胚培養士,または臨床エンブリオロジストと呼ばれる.どちらの呼称であれ実際に行う業務は同じであるが,わが国では2つの学会の認定が存在するため,本文中では統一呼称の培養士と記述する.

●培養士という職業は,1978年の世界で初めての体外受精の成功を機に生殖医療の担い手として誕生した,医療のなかでの新しい職種である.

●培養士が誕生して40年以上が経過した.生殖医療の心臓部を動かす培養士なくして,今日の生殖医療は存在できない.

●わが国においては,ヒトの命の始まりを担う培養士の国家資格化はされていない.したがって,その職務の重要性にもかかわらず公的機関での就職もままならない状態が続いている.

参考文献

1)Johnson MH, Elder K:The Oldham Notebooks: an analysis of the development of IVF 1969-1978. V. The role of Jean Purdy reassessed. Reprod Biomed Soc Online 1:46-57,2015
2)福田愛作:第12回 厚生科学審議会生殖補助医療部会 議事次第 本邦での生殖補助医療(Assisted Reproductive Technologies:ART)におけるエンブリオロジストの役割とその現状.生殖補助医療に関する有識者からのヒアリング(平成14年5月9日 厚生労働省専用第21会議室)(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/05/s0509-1e.html)(最終アクセス:2022年10月13日)
3)厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第516回) 令和4年2月9日(水) 於 オンライン開催,2022(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00139.html)(最終アクセス:2022年10月14日)
4)厚生労働省:生殖補助医療に係る医療技術等の評価②〔生殖補助医療管理料(その2)〕.令和4年8月1日時点版(全体版) 不妊治療に関する支援について,p13,2022(https://www.mhlw.go.jp/content/20220801zentai.pdf)(最終アクセス:2022年10月14日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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