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今月の特集 腫瘍随伴症候群 ホルモン・サイトカインの異所性産生・過剰産生によるもの
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
著者: 宮田崇1 有馬寛1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学
ページ範囲:P.1230 - P.1233
文献購入ページに移動●抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)は,低ナトリウム血症にもかかわらず,抗利尿ホルモンであるバソプレシン(AVP)の分泌が抑制されないため,腎尿細管での水の再吸収が亢進して水利尿不全に伴う低ナトリウム血症を呈する病態である.
●SIADHの症状は低ナトリウム血症に伴う脳浮腫による中枢神経症状であるが,低ナトリウム血症の程度と進行速度によって異なる.
●低ナトリウム血症,低浸透圧血症にもかかわらずAVP分泌の抑制がみられず血漿AVP濃度は相対的高値となる.
●低ナトリウム血症を補正する際は,浸透圧性脱髄症候群(ODS)を生じる危険性があるため,24時間の血清ナトリウム濃度の上昇を10mEq/L以下とする.
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