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今月の特集 中枢神経系感染症アップデート
中枢神経系感染症の病理検査
著者: 高橋健太1
所属機関: 1国立感染症研究所感染病理部
ページ範囲:P.1378 - P.1386
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●感染症の病理検査では,形態検索と病原体検索を同一組織検体上で併せて行う必要がある.
●形態検索では組織中の病原体そのものの観察と,感染に伴う形態学的変化の評価を行う.
●病原体検索では,免疫組織化学による病原体のタンパク質,組織からのPCRによる病原体の核酸などが検査の対象となる.
●生検による中枢神経組織の検体採取は侵襲性が極めて大きい一方,病理検索で必ずしも確定診断に至るとは限らない症例もあり,各種培養検査や血清学的検査の併用が有用となる.
●感染症の病理検査では,形態検索と病原体検索を同一組織検体上で併せて行う必要がある.
●形態検索では組織中の病原体そのものの観察と,感染に伴う形態学的変化の評価を行う.
●病原体検索では,免疫組織化学による病原体のタンパク質,組織からのPCRによる病原体の核酸などが検査の対象となる.
●生検による中枢神経組織の検体採取は侵襲性が極めて大きい一方,病理検索で必ずしも確定診断に至るとは限らない症例もあり,各種培養検査や血清学的検査の併用が有用となる.
参考文献
1)Hara T, Yagita K, Sugita Y:Pathogenic free-living amoebic encephalitis in Japan. Neuropathology 39:251-258,2019
2)日本神経学会,日本神経治療学会,日本神経感染症学会(監),「細菌性髄膜炎診療ガイドライン」作成委員会(編):細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014,南江堂,2014
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4)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業) プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班:進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)診療ガイドライン2020,2020
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8)プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究班,日本神経学会(監),プリオン病感染予防ガイドライン作成委員会(編):プリオン病感染予防ガイドライン2020,2020
9)厚生労働行政推進調査事業費補助金〔難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)〕プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究班,日本神経病理学会プリオン病剖検・病理検査推進委員会:プリオン病の剖検マニュアル 第2版,2017
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