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医療紛争の事例から学ぶ・5
大腸内視鏡検査中の腸管穿孔事例
著者: 松本龍馬1 蒔田覚2
所属機関: 1岡部真勝法律事務所 2蒔田法律事務所
ページ範囲:P.1398 - P.1400
文献購入ページに移動令和3(2021)年5月の法改正(臨床検査技師等に関する法律施行令第8条の2の改正)により,臨床検査技師は,医師または歯科医師の具体的な指示に基づいて,診療の補助として内視鏡用生検鉗子を用いて消化管の病変部位の組織の一部を採取することができるようになった.この行為は,患者の身体への侵襲を伴う医行為(保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為)であり,消化管穿孔などの偶発症・合併症のリスクを内在しており,時に致死的な経過をたどるおそれがある.
連載第5回では,内視鏡用生検鉗子の操作時や検体採取時に消化管穿孔を生じた事案ではないが,裁判所がどのような点に着目して“手技上の過失”を判断するのかの理解を深めるべく,原審と控訴審とで評価が分かれた大腸内視鏡検査を受けた患者の直腸S状部(Rs)に穿孔が生じた裁判例〔(原審)岡山地裁平成29年7月11日判決1)/(控訴審)広島高裁岡山支部平成31年4月18日判決2)〕を紹介する〔請求額約260万円/原審:一部認容(約70万円)・控訴審:請求棄却〕.
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