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文献概要
今月の特集 微生物検査と臨床推論
診断エラーと微生物検査
著者: 渡智久1
所属機関: 1亀田総合病院臨床検査部
ページ範囲:P.654 - P.661
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●診断エラーは,医師と臨床検査技師のコミュニケーション不足が主要因で思い込みや思い違いが発生することで起きる.
●Gram染色は染色手技が簡便で,しかも短時間で実施できることから迅速検査として感染症診療に利用されているが,染色不良や染色所見の解釈など,個人差や技術間差によってエラーを起こしやすい検査である.
●通常は,血液培養の汚染菌と考えられている皮膚の常在菌であっても,重症感染症の起炎菌になりうるため,先入観による汚染菌の判断は避けるべきである.
●血液培養陰性であっても感染症を否定することができないため,医師との診療情報の共有によって病原体診断に結び付けることが重要である.
●従来のGram染色による起炎菌推定の思考プロセスを活用して推定結果を導き出した後,さらに臨床的な有用性が得られると判断した場合にのみ多項目同時核酸検出検査を実施したほうがよい.
●診断エラーは,医師と臨床検査技師のコミュニケーション不足が主要因で思い込みや思い違いが発生することで起きる.
●Gram染色は染色手技が簡便で,しかも短時間で実施できることから迅速検査として感染症診療に利用されているが,染色不良や染色所見の解釈など,個人差や技術間差によってエラーを起こしやすい検査である.
●通常は,血液培養の汚染菌と考えられている皮膚の常在菌であっても,重症感染症の起炎菌になりうるため,先入観による汚染菌の判断は避けるべきである.
●血液培養陰性であっても感染症を否定することができないため,医師との診療情報の共有によって病原体診断に結び付けることが重要である.
●従来のGram染色による起炎菌推定の思考プロセスを活用して推定結果を導き出した後,さらに臨床的な有用性が得られると判断した場合にのみ多項目同時核酸検出検査を実施したほうがよい.
参考文献
1)Graber ML, Franklin N, Gordon R:Diagnostic error in internal medicine. Arch Intern Med 165:1493-1499,2005
2)Balogh EP, Miller BT, Ball JR (eds), Committee on Diagnostic Error in Health Care, Board on Health care Services, Institute of Medicine, et al:Improving Diagnosis in Health Care, National Academies Press, Washington DC,2015
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4)Ruiz-Giardín JM, Martin-Díaz RM, Jaqueti-Aroca J, et al:Diagnosis of bacteraemia and growth times. Int J Infect Dis 41:6-10,2015
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6)Rodino KG, Stone E, Abu Saleh O, et al:Closing the Brief Case: Bartonella henselae Endocarditis—a Case of Delayed Diagnosis. J Clin Microbiol 57:e00123-19,2019
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8)Wang A, Gaca JG, Chu VH:Management Considerations in Infective Endocarditis: A Review. JAMA 320:72-83,2018
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