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文献詳細

雑誌文献

臨床検査67巻6号

2023年06月発行

文献概要

今月の!検査室への質問に答えます・5

アレルゲン検査で特異的IgE抗体検査と皮膚テストの比較,使い分け,注意点などを教えてください

著者: 藤岡優樹1 嵯峨亜希子2 植木重治12

所属機関: 1秋田大学医学部附属病院中央検査部 2秋田大学大学院医学系研究科総合診療・検査診断学講座

ページ範囲:P.662 - P.667

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はじめに

 アレルギーとは通常は問題にならないような物質などに対して免疫系が過剰反応することによって引き起こされる病的な状態を指します.アレルギー反応を4つに分類したGell and Coombs分類がアレルギーの理解に役立ちます(表1)1).花粉症や蕁麻疹といったいわゆる狭義のアレルギー疾患(Ⅰ型アレルギー)以外にも,不適合輸血や関節リウマチ,同種造血幹細胞移植後の移植片対組織病(graft-versus-host disease:GVHD)といった疾患も広義にはアレルギーに含まれます.

 アレルギー疾患の診断の基本は,病態の原因となっている抗原(アレルゲン)を同定することですが,アレルゲンの予測が困難であったり測定自体が実施できなかったりすることがあるため,実際には病歴や身体所見,その他の検査所見などと合わせて総合的に判断されます.アレルゲンの同定検査として依頼されることが多いのはⅠ型アレルギーとⅣ型アレルギーですので,本稿ではそれらの検査を中心にその意義や有用性について説明します.

参考文献

1)河合忠(監),山田俊幸,本田孝行(編):免疫・アレルギー検査.異常値の出るメカニズム 第7版,医学書院,p148,2018
2)日本アレルギー学会:アレルギーを知ろう(https://www.jsa-pr.jp/html/knowledge.html)(最終アクセス:2023年3月3日)
3)海老澤元宏,伊藤浩明,藤澤隆夫(監),日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会:食物アレルギー診療ガイドライン2021,協和企画,2021(https:minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0501/G0001331)(最終アクセス:2023年3月3日)
4)河本正次:最新のアレルゲン解析.アレルギー 69:105-109,2020
5)日本アレルギー学会,日本呼吸器学会(監),「アレルギー性気管支肺真菌症」研究班(編):アレルギー性気管支肺真菌症の診療の手引き,医学書院,2019
6)日本アレルギー学会:〔学会見解〕血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起,2015(https://www.jsaweb.jp/modules/important/index.php?content_id=51)(最終アクセス:2023年3月3日)
7)中川武正,駒瀬裕子,森直行,他:HRTシオノギ(ヒスタミン遊離試験)の臨床的有用性の検討.医学と薬学 43:861-870,2000
8)長尾みづほ:アレルギー疾患の臨床検査 細胞の反応を用いたアレルギー検査(リンパ球刺激試験と好塩基球刺激試験).Med Technol 50:1199-1202,2022
9)厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班,日本小児アレルギー学会,日本小児栄養消化器肝臓学会:新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症診療ガイドライン,2019
10)日本アレルギー学会(監),「皮膚テストの手引き」作成委員会(編):皮膚テストの手引き,協和企画,2021(https:minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0351/G0001047)(最終アクセス:2023年3月3日)
11)「食物アレルギーの診療の手引き2020」検討委員会:食物アレルギーの診療の手引き2020,食物アレルギー研究会,2020
12)梶有貴:食物アレルギー診断におけるIgE抗体検査の“賢い選択”[Choosing Wiselyで日常診療を見直す(7)].医事新報 5007:27,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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