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今月の!検査室への質問に答えます・5
アレルゲン検査で特異的IgE抗体検査と皮膚テストの比較,使い分け,注意点などを教えてください
著者: 藤岡優樹1 嵯峨亜希子2 植木重治12
所属機関: 1秋田大学医学部附属病院中央検査部 2秋田大学大学院医学系研究科総合診療・検査診断学講座
ページ範囲:P.662 - P.667
文献購入ページに移動アレルギーとは通常は問題にならないような物質などに対して免疫系が過剰反応することによって引き起こされる病的な状態を指します.アレルギー反応を4つに分類したGell and Coombs分類がアレルギーの理解に役立ちます(表1)1).花粉症や蕁麻疹といったいわゆる狭義のアレルギー疾患(Ⅰ型アレルギー)以外にも,不適合輸血や関節リウマチ,同種造血幹細胞移植後の移植片対組織病(graft-versus-host disease:GVHD)といった疾患も広義にはアレルギーに含まれます.
アレルギー疾患の診断の基本は,病態の原因となっている抗原(アレルゲン)を同定することですが,アレルゲンの予測が困難であったり測定自体が実施できなかったりすることがあるため,実際には病歴や身体所見,その他の検査所見などと合わせて総合的に判断されます.アレルゲンの同定検査として依頼されることが多いのはⅠ型アレルギーとⅣ型アレルギーですので,本稿ではそれらの検査を中心にその意義や有用性について説明します.
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