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文献詳細

雑誌文献

臨床検査67巻6号

2023年06月発行

文献概要

AI・ビッグデータ時代の臨床検査のための情報科学・2

検査の精度管理に必要な統計学

著者: 佐藤正一1

所属機関: 1順天堂大学医療科学部臨床工学科

ページ範囲:P.668 - P.676

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Point

●統計量の計算式の意味がわかると統計量の見方が理解できる.

●臨床検査で利用する回帰式には複数あり,適切な回帰式を選択することが求められる.散布図をよく観察して,極端値や分布の歪みに着目して適切な回帰式を使用する.

●分散分析(ANOVA)は,データの変動を誤差変動と各要因の変動とに分解して分析する方法である.臨床検査では室内精度管理および不確かさの算出に利用する.

●定量限界(LoQ)は定量検知が可能な最小値であり,臨床検査値として報告できる最小の値となる.計測には多数の検査値を必要とするため,全ての検査項目において計測することはなく,最小値が臨床上重要な項目において計測するものである.

●精度管理は,個々の検体の測定結果を保証するものではないことを理解しておくことが必要である.

参考文献

1)市原清志,佐藤正一,山下哲平:回帰直線.カラーイメージで学ぶ統計学の基礎 新版 第2版(市原清志,佐藤正一,山下哲平),日本教育研究センター,pp195-202,2020
2)市原清志,細萱茂実,奥谷竜太,他:定量分析法における検出限界および定量限界の評価法.臨化シンポ 35:280-294,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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