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今月の特集1 高齢者の予防医療—人間ドック・健診
高齢者の運動器疾患予防
著者: 大江隆史12
所属機関: 1NTT東日本関東病院 2ロコモ チャレンジ!推進協議会
ページ範囲:P.26 - P.30
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●高齢者の運動器疾患で手術に至るものは,骨粗鬆症を有する骨脆弱性骨折,変形性関節症,変形性脊椎症,脊柱管狭窄症が大部分を占める.
●高齢者では,骨粗鬆症,変形性脊椎症,変形性関節症が併存することが多い.
●高齢者では,運動器の問題を移動能力の低下の観点から総合的に考えることが必要で,それを踏まえて提唱されたのがロコモティブシンドローム(ロコモ)の概念である.
●高齢者の運動器疾患による障害の予防には,ロコモの概念を知ること,ロコモを構成する因子に対する予防を知ることの2つが重要であり,検査もその考えに沿って行うことで有効になる.
●高齢者の運動器疾患で手術に至るものは,骨粗鬆症を有する骨脆弱性骨折,変形性関節症,変形性脊椎症,脊柱管狭窄症が大部分を占める.
●高齢者では,骨粗鬆症,変形性脊椎症,変形性関節症が併存することが多い.
●高齢者では,運動器の問題を移動能力の低下の観点から総合的に考えることが必要で,それを踏まえて提唱されたのがロコモティブシンドローム(ロコモ)の概念である.
●高齢者の運動器疾患による障害の予防には,ロコモの概念を知ること,ロコモを構成する因子に対する予防を知ることの2つが重要であり,検査もその考えに沿って行うことで有効になる.
参考文献
1)厚生労働省:社会医療診療行為別統計(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450048&tstat=000001029602&cycle=7&year=20190&tclass1=000001140767&tclass2=000001140768&tclass3=000001140769&tclass4val=0&metadata=1&data=1)(最終アクセス:2023年9月15日)
2)Yoshimura N, Muraki S, Oka H, et al:Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis, and osteoporosis in Japanese men and women: the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study. J Bone Miner Metab 27:620-628,2009
3)Ishimoto Y, Yoshimura N, Muraki S, et al:Prevalence of symptomatic lumbar spinal stenosis and its association with physical performance in a population-based cohort in Japan: the Wakayama Spine Study. Osteoarthritis Cartilage 20:1103-1108,2012
4)村永信吾:立ち上がり動作を用いた下肢筋力評価とその臨床応用.昭和医会誌 61:362-367,2001
5)村永信吾,平野清孝:2ステップテストを用いた簡便な歩行能力推定法の開発.昭和医会誌 63:301-308,2003
6)Seichi A, Hoshino Y, Doi T, et al:Development of a screening tool for risk of locomotive syndrome in the elderly: the 25-question Geriatric Locomotive Function Scale. J Orthop Sci 17:163-172,2012
7)Ogata T, Yamada K, Miura H, et al:Feasibility and applicability of locomotive syndrome risk test in elderly patients who underwent total knee arthroplasty. Mod Rheumatol, 2022, in press(https://doi.org/10.1093/mr/roac131)(最終アクセス:2023年9月15日)
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