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今月の特集1 高齢者の予防医療—人間ドック・健診
高齢者の泌尿器科疾患予防—前立腺癌と排尿障害
著者: 吉田正貴1 横山剛志2
所属機関: 1桜十字病院泌尿器科 2愛知医科大学看護学部老年看護学
ページ範囲:P.31 - P.35
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●前立腺癌は日本人男性の癌の第1位となっており,PSA検診は確立されてきているが,今後は前立腺癌発症のリスクに応じた検診実施戦略の確立が必要と考えられる.
●排尿障害は高齢者の生活の質(QOL)に大きく影響し,フレイルや死亡率と関連することもあり,人間ドックや検診で問題と思われる排尿障害を早期に検出し,適切な診断や介入を行うことは重要と思われる.
●人間ドックや検診で排尿障害を検出するためには,症状質問票〔特に主要下部尿路症状スコア(CLSS)〕と超音波検査での残尿測定が重要である.
●前立腺癌は日本人男性の癌の第1位となっており,PSA検診は確立されてきているが,今後は前立腺癌発症のリスクに応じた検診実施戦略の確立が必要と考えられる.
●排尿障害は高齢者の生活の質(QOL)に大きく影響し,フレイルや死亡率と関連することもあり,人間ドックや検診で問題と思われる排尿障害を早期に検出し,適切な診断や介入を行うことは重要と思われる.
●人間ドックや検診で排尿障害を検出するためには,症状質問票〔特に主要下部尿路症状スコア(CLSS)〕と超音波検査での残尿測定が重要である.
参考文献
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