文献詳細
今月の特集1 標準化とトレーサビリティ体系
文献概要
Point
●検査値のトレーサビリティ体系は,測定操作法による差異,患者検体固有の誤差,測定におけるランダム誤差を考慮しなくてはならない.
●標準物質の値付け,試薬の原理による異なった反応性が,測定操作法に起因した誤差としてかたよりに影響を与える.
●標準物質はその性状など規格化されていることで,測定における干渉物質の影響を抑えられるが,患者検体では項目ごとに特有の影響があるため測定値の比例互換性が大切である.
●検査結果には,バリデーションとしてトレーサビリティ体系への整合性を確認し,不確かさを示すことが要求される.
●検査値のトレーサビリティ体系は,測定操作法による差異,患者検体固有の誤差,測定におけるランダム誤差を考慮しなくてはならない.
●標準物質の値付け,試薬の原理による異なった反応性が,測定操作法に起因した誤差としてかたよりに影響を与える.
●標準物質はその性状など規格化されていることで,測定における干渉物質の影響を抑えられるが,患者検体では項目ごとに特有の影響があるため測定値の比例互換性が大切である.
●検査結果には,バリデーションとしてトレーサビリティ体系への整合性を確認し,不確かさを示すことが要求される.
参考文献
1)ISO 17511:2003, In vitro diagnostics medical devices-Measurement of quantities in biological samples-Metrological traceability of values assigned to calibrators and control materials,体外診断用医薬品・医療機器—生物試料の定量測定—校正物質と管理物質の表示値の計量学的トレーサビリティ,2003
2)日本臨床衛生検査技師会:平成21年度日臨技臨床検査データ標準化事業報告書,2010
3)日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会:生理的変動に基づいた臨床化学検査36項目における測定の許容誤差限界.臨化 35:144-153,2006
4)浜崎直孝,大沢進,細萱茂実,他:定量分析用常用組成標準物質の規格.臨化 32:180-185,2003
5)日本臨床化学会血液ガス・電解質専門委員会:イオン電極法による血液中ナトリウム,カリウム,塩素濃度測定の勧告法—標準血清による正確さの校正方法.臨化 22:279-290,1993
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7)金井正光(監),奥村伸生,戸塚実,本田孝行,他(編):臨床検査法提要 改訂第35版,金原出版,2020
8)関口光夫:クロールイオン.化と生 21:111-118,1991
9)白井秀明:各社アミラーゼJSCC標準化対応法試薬のアイソザイムに対する反応性の検証.医と薬学 59:1093-1100,2008
10)日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会定量測定法に関するバリデーション指針プロジェクト:定量測定法に関するバリデーション指針.臨化 40:149-157,2011
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