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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻11号

2024年11月発行

今月の特集2 中毒への対応

自然毒による急性中毒

著者: 田中保平1

所属機関: 1自治医科大学医学部救急医学講座

ページ範囲:P.1419 - P.1423

文献概要

Point

●自然毒の知識は,常にアップデートが必要である.これまで無毒だと思われていたものが有毒と判明することもあれば,不明だった機序が判明することもある.

●外来生物・植物の移入・拡散・栽培,さらに近年の温暖化などにより,それまで生息しなかった生物による中毒・傷害が引き起こされることもある.

●中毒診療では推定中毒原因物質がわからないと診療も難渋することもあり,身体所見・血液検査・尿検査・心電図を行いながら診察を進めることが多い.

●生物毒は単一ではなく複数の毒素を保有している可能性を念頭に置く必要がある.

参考文献

1)厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル 魚類 フグ毒(https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/dl/animal_det_01-02.pdf)(最終アクセス:2024年7月31日)
2)Tahara Y:Studies on globefish poison. J Pharm Soc Japan 29:587-625,1909
3)Yotsu M, Yamazaki T, Meguro Y, et al:Production of tetrodotoxin and its derivatives by Pseudomonas sp. isolated from the skin of a pufferfish. Toxicon 25:225-228,1987
4)Noguchi T, Jeon JK, Arakawa O, et al:Occurrence of tetrodotoxin and anhydrotetrodotoxin in Vibrio sp. isolated from the intestines of a xanthid crab, Atergatis floridus. J Biochem 99:311-314,1986
5)間藤卓:救急で出会ったこんな症例 マイナーエマージェンシー対応のススメ(Vol.12) ヘビ咬傷のあれこれ:鑑別編1 マムシとアオダイショウ.医のあゆみ 285:1143-1149,2023
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8)寺本輝代,内田成子,吉江治彦,他:乾シイタケの水抽出物によるシイタケ皮膚炎の6例.皮膚臨床 44:118-119,2002
9)中村雄彦,中村元一:シイタケ皮膚炎(中村).アレルギー科 20:368-373,2005
10)照井克俊,藤田友嗣,高橋智弘,他:トリカブト中毒患者30症例の不整脈症状を中心とした特徴と治療に関する臨床的検討.日救急医会誌 24:857-863,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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