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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻2号

2024年02月発行

文献概要

医療紛争の事例から学ぶ・7

補助業務に付随する説明

著者: 松本龍馬1 蒔田覚2

所属機関: 1岡部真勝法律事務所 2蒔田法律事務所

ページ範囲:P.209 - P.211

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はじめに

 医師の指示に基づいて診療の補助として採血や検体採取を行う臨床検査技師には,これらに付随する業務の一環として,各種検査に必要な問診や説明を行う役割が期待される.

 連載第7回では,健康診断の一環として実施された胃癌健診の際,健診受診者がバリウムを服用した後に,大腸穿孔,腹膜炎などを発症したことについて,看護師の説明義務違反,問診義務違反が問われた裁判例(東京地方裁判所平成27年5月22日判決1):請求棄却〈確定〉)を紹介する.タスクシフト/タスクシェアが進むなかで臨床検査技師には,採血や検体採取などの“診療の補助”業務についてもいっそうの活躍が期待されており,患者と接する機会が格段に増えることが想定される.本裁判例の判断のポイントを理解することは,臨床検査技師が上記業務を行う際にも参考となるであろう.

参考文献

1)東京地方裁判所平成27年5月22日判決
2)「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(医政発第1228001号)(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025aq3-att/2r98520000025axw.pdf)(最終アクセス:2023年9月28日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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