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増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ 2章 腎疾患診療の進め方
尿採取法を含めた尿検査の進め方
著者: 千葉(石橋)里佳1 下澤達雄12
所属機関: 1国際医療福祉大学成田病院臨床検査科 2国際医療福祉大学大学院医学系臨床検査医学
ページ範囲:P.373 - P.377
文献購入ページに移動尿は,検査材料として最も容易に採取できる検体であり,患者への苦痛を伴わず,非侵襲性で繰り返し採取できる検体である.尿を材料にした検査は,尿定性検査,尿沈渣検査,尿化学(定量)検査,細菌検査,尿細胞診検査など多岐にわたるが,そのなかでも,尿定性検査,尿沈渣検査,尿化学(定量)検査は,腎・尿路系疾患の病態評価を行ううえで基本的かつ重要な検査となる.しかし,尿は同一患者であっても排泄量,pH,比重,浸透圧などが変動し,食事や運動,服用薬剤,精神的ストレスなどの影響を受ける.また,成分の変性や細菌の増殖により尿中成分の変化が起こる場合や食品,薬剤に含まれる成分により偽陰性・偽陽性反応を引き起こす場合がある.そのため,尿検査は採尿,判定,結果の解釈において注意が必要な検査である.
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