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増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ 2章 腎疾患診療の進め方
画像診断(超音波以外)の進め方
著者: 井上勉1 岡田浩一1
所属機関: 1埼玉医科大学医学部腎臓内科
ページ範囲:P.387 - P.390
文献購入ページに移動腎不全という旧来の病名とは異なり,早期の腎疾患群を内包する病名として,2002年に米国で慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の概念が提唱された.2009年には日本腎臓学会初となるエビデンスに基づいた本格的なCKDガイドライン(初版)が作成されている.同ガイドラインのなかでCKDの定義として,腎機能の低下や尿検査異常(主にタンパク尿)と並んで,画像検査異常が明記された.具体的にはCKD診断時に(腹部)超音波検査やX線CTを行い腎の形態評価と合併症(腫瘍や結石など)を確認すること,および核医学的糸球体濾過量の推定法が取り上げられていた.超音波検査は電離放射線や造影剤が不要で,低侵襲かつ簡便であり検査対象に禁忌がない.基本的には全てのCKD症例に行うことが勧められる最も重要な画像検査法であり,「超音波検査の進め方」(382〜386ページ)で細説される.本稿ではそれ以外の画像検査について概説する.
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