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増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ 3章 腎疾患と臨床検査
尿化学定量と排泄率算出の意義
著者: 岩津好隆1
所属機関: 1自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部
ページ範囲:P.423 - P.427
文献購入ページに移動はじめに
尿化学定量と排泄率(fractional excretion:FE)の算出は,従来から腎疾患や電解質酸塩基障害の診断・治療効果判定,食事摂取量の推定などに使用されている.一方で,食事摂取量の推定やFEの計算はやや煩雑であり,特に外来診療ではほとんど活用されていなかった.しかし,近年では電子カルテが普及し,検査項目として推定食事摂取量やFEを依頼すれば計算された結果が反映されるようになり,活用される頻度が増加してきている.
本稿では,腎疾患の診療で活用される尿化学定量とFEについて概説する.
尿化学定量と排泄率(fractional excretion:FE)の算出は,従来から腎疾患や電解質酸塩基障害の診断・治療効果判定,食事摂取量の推定などに使用されている.一方で,食事摂取量の推定やFEの計算はやや煩雑であり,特に外来診療ではほとんど活用されていなかった.しかし,近年では電子カルテが普及し,検査項目として推定食事摂取量やFEを依頼すれば計算された結果が反映されるようになり,活用される頻度が増加してきている.
本稿では,腎疾患の診療で活用される尿化学定量とFEについて概説する.
参考文献
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