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増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ 4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること CKD
臨床検査
著者: 相澤千晴1 長浜正彦1
所属機関: 1聖路加国際病院腎臓内科
ページ範囲:P.474 - P.479
文献購入ページに移動慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者はさまざまな合併症を有する.高血圧・ナトリウム(sodium:Na)過剰はそれ自体がCKDのリスクであるが,腎機能低下によってさらに体液貯留が進行する.そして腎機能低下が進行することによって,カリウム(potassium:K)や酸(H+),尿酸といった溶質の貯留が起こる.また腎臓の尿細管間質から産生されるエリスロポエチン(erythropoietin:EPO)や,近位尿細管で活性化されるビタミンDの作用が低下することで,貧血や骨ミネラル代謝異常(mineral and bone disorder:MBD)が起こる.CKDを診療する際にはこれらを理解したうえで,多角的に病態を捉えることが必要である.
本稿では,腎臓病診療ガイドラインの国際機関である国際的腎臓病ガイドライン機構(Kidney Disease Improving Global Outcomes:KDIGO)から2012年に発刊されたCKDガイドライン1)と2023年に日本腎臓学会で改訂された「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」2)を軸に,CKD患者で合併する病態とそれに伴う検査値異常について概説していく.
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