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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻4号

2024年04月発行

文献概要

増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ 4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること CKD

管理栄養士による栄養指導

著者: 川畑奈緒1

所属機関: 1自治医科大学附属病院臨床栄養部

ページ範囲:P.480 - P.485

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はじめに

 わが国では,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者は1,330万人といわれ,進行すると人工透析に至る.しかし,早期に対処すれば重症化を抑え,治癒を望むことも可能である.CKDの発症と進行には生活習慣の偏りが大きくかかわっていることから,腎機能を維持するために食事療法は極めて重要である.

 CKD患者における栄養指導の有益性を示すエビデンスとして,わが国のランダム化比較試験であるFROM-J研究1)が挙げられる.さらに筆者らが行ったランダム化比較試験でも,管理栄養士による頻回の栄養指導が糖尿病性腎症の進行にかかわる臨床的および栄養学的指標を改善し,腎症の進行を抑制する可能性が示唆された2,3).これらの成績から,CKD患者では管理栄養士による栄養指導が非常に重要と考えられる.

 そこで本稿では,CKD患者に対する食事療法基準を紹介し,栄養指導の際に参考にすべき検査所見および症例を呈示する.

参考文献

1)Yamagata K, et al:Effect of Behavior Modification on Outcome in Early- to Moderate-Stage Chronic Kidney Disease: A Cluster-Randomized Trial. PLoS One 11:e0151422,2016
2)Kawabata N, et al:Comparison of the effects of frequent versus conventional nutritional interventions in patients with type 2 diabetes mellitus: A randomized, controlled trial. J Diabetes Investig 13:271-279,2022
3)Kawabata N, et al:Dietitian-supported dietary intervention leads to favorable dietary changes in patients with type 2 diabetes: A randomized controlled trial. J Diabetes Investig 13:1963-1970,2022
4)日本腎臓学会(編):慢性腎臓病に対する食事療法基準(成人).慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版.日腎会誌 56:563-575,2014(https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/CKD-Dietaryrecommendations2014.pdf)(最終アクセス:2023年9月4日)
5)日本腎臓学会(編):栄養.エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023,東京医学社,pp84-95,2023
6)日本糖尿病学会(編著):糖尿病合併症とその対策.糖尿病治療ガイド2022-2023,文光堂,pp81-97,2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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