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今月の特集 骨髄腫と類縁疾患の検査学
扉
著者: 涌井昌俊1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部臨床検査医学
ページ範囲:P.797 - P.797
文献購入ページに移動 骨髄腫は,B細胞からの最終分化段階に相当し抗体を持続的に産生する形質細胞の癌化による疾患です.クローン性に産生される異常な免疫グロブリン,つまりMタンパクの出現が特徴的です.末梢血では軽度・中等度の貧血以外は異常に乏しく,リンパ節腫脹や肝脾腫が主たる所見ではない骨髄腫は,他の造血器腫瘍と比べて,診断に対する化学・免疫検査所見の寄与が大きいといえます.あえてMタンパクの存在を疑って検査所見をそろえなければ,診断のピットフォールとなりかねません.骨髄腫のほかにも,クローン性の抗体産生異常を呈する疾患があり,Mタンパクの検出と詳細な解析が診断・治療に不可欠です.
本特集では「骨髄腫と類縁疾患の検査学」というテーマの下で,第一線のエキスパートの方々に解説いただきました.各疾患の概要のアップデートとともに,診療にかかわる検査の実地に必要な考え方の整理の一助となれば幸いです.
本特集では「骨髄腫と類縁疾患の検査学」というテーマの下で,第一線のエキスパートの方々に解説いただきました.各疾患の概要のアップデートとともに,診療にかかわる検査の実地に必要な考え方の整理の一助となれば幸いです.
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