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ブドウ糖酸化酵素—ペルオキシダーゼ系を用いる国産血糖定量試薬(Glucomesser)の使用条件についての検討
著者: 春日誠次1 村松允子1
所属機関: 1関東逓信病院臨床検査科
ページ範囲:P.817 - P.821
文献購入ページに移動ブドウ糖を定量するのにブドウ糖酸化酵素を用いるとはすでに1945年にKeilin & Hartreeによって考案されている。ブドウ糖溶液にこの酵素を添加して37℃に保つとブドウ糖はグルコン酸となり同時に過酸化水素が出来るのであるが,このとき消費される酸素量を検圧計を用いて測定するというのがその原理である。この方法でもかなり微量な糖の定量が可能であるが,また,ポーラログラフを併用すると1μg程度にも微量化することが可能であるという。
また,適当濃度の過酸化水素をペルオキシダーゼとο—ジアニシジン等の色素原液に作用させると有色物質を生じ,この濃度を比色することによって過酸化水素量を知ることができるのであるが,これを前のブドウ糖酸化酵素の反応と組み合わせると比色によってブドウ糖の定量ができる。これが1956年にTeller1)によって発表された方法である。その後もこの方法についての批判,改良について多くの論文が見受けられる。ブドウ糖の定性試験として〃テステープ〃が検査室でもよく用いられている現況であるように,この原理を用いた方法では特異性が高く,また,しかるべき方法を用いれば再現性もよい。これによって定量した血糖正常値についても発表せられている。本邦でもすでに紹介され,それについての検討も行なわれている2)3)。
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