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文献詳細

雑誌文献

臨床検査8巻1号

1964年01月発行

技術解説

溶血性貧血の検査法

著者: 小宮正文1

所属機関: 1東大医学部上田内科

ページ範囲:P.17 - P.23

文献概要

I.溶血性貧血の概念
 造血巣から血液の中に送られて来た赤血球は110〜120日ぐらいの間に老廃して死滅する。そうすると,血液の中にいつも同じくらいの赤血球数が存在するためには,造血巣から単位時間に補給される赤血球数が老廃死滅赤血球数とほぼ等しいことになる。健康人の血液中の赤血球数はこのようにして比較的恒常的な値を保っている。たとえば500万/cmmというごとくである。
 一方,赤血球が死滅すると,その主成分である血色素もなんらかの過程で代謝されるわけであるが,血色素成分のポルフィリン環は代謝されてビリルビンに転化し,肝細胞の働きでグルクロン酸結合型となり胆汁に排出される。健康人の血清ビリルビン濃度は0.5〜1.0mg/dlで,その大部分はいわゆる間接型ビリルビンである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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