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技術解説
ミリポアフィルターによる細胞集収法—細胞診への応用
著者: 田嶋基男1 山岸紀美江1
所属機関: 1国立がんセンター臨床検査部細胞診検査室
ページ範囲:P.963 - P.965
文献購入ページに移動はじめに
癌診断における細胞診の役割は,近時,しだいにクローズアップされてきた。それは細胞診が,ある条件下では組織診と共に,直接診断法の一翼を担い得る場合があるからである。たとえば,胃,肺,膵などに癌腫の存在が想定される場合,子宮や乳腺などと異なり,試験切除による組織診の施行がはなはだ困難であり,胃液,喀痰,膵液などによる細胞診が,もっとも確診率の高い診断法として取り上げられてくるわけである。
現在,各科領域において細胞診はすでに相当の成績をあげているが,さらにこれを向上させるためには,悪性像を如何に認識するかに関する医師の知識と経験とを向上させる事と平行して,いかにして検体の中から,良い状態で,より多くの細胞を集めるかという,技術の向上がこれに伴わなければならない。
癌診断における細胞診の役割は,近時,しだいにクローズアップされてきた。それは細胞診が,ある条件下では組織診と共に,直接診断法の一翼を担い得る場合があるからである。たとえば,胃,肺,膵などに癌腫の存在が想定される場合,子宮や乳腺などと異なり,試験切除による組織診の施行がはなはだ困難であり,胃液,喀痰,膵液などによる細胞診が,もっとも確診率の高い診断法として取り上げられてくるわけである。
現在,各科領域において細胞診はすでに相当の成績をあげているが,さらにこれを向上させるためには,悪性像を如何に認識するかに関する医師の知識と経験とを向上させる事と平行して,いかにして検体の中から,良い状態で,より多くの細胞を集めるかという,技術の向上がこれに伴わなければならない。
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