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文献概要
特集 日常検査法の基礎知識と実技 生理学
脳波
著者: 本間伊佐子1 江部充1
所属機関: 1虎ノ門病院・生理学科
ページ範囲:P.1248 - P.1254
文献購入ページに移動I.脳波の電気生理
生きている細胞から生体電気のあらわれることは古くより知られていたが,1875年に英国のcatonが動物の脳に電気活動のあることを認め,ついで1924年にドイツの精神医学者であるHans Bergerが人間の大脳の電気活動の記録に成巧し,それを脳波Electroencephalogramとなづけて以来数多くの研究が行なわれてきた。最近のめざましいエレクトロニクスの発展に伴う装置の普及とともに,脳波検査は急速の進歩を示し,今日では脳の働きをとらえる唯一の方法としてなくてはならない検査方法となっている。
しかしその現象が単純でなく,また非常に微弱な電気活動であるために,その取り出し方にきまった方式がなく,各自適当と思われる検査方法を用いていた状態であった。最近その対策として,国際脳波学会が基準となるような脳波検査技術指針を提案している。わが国でも脳波計については日本工業規格(JIS)によってその性能が規定されている。規格にあった脳波計については問題はないが,記録の方法や整理のしかたなどはまだ検査室によって異なった方法が随時用いられているので,その記録所見は検査室外にもち出されても通用するものでなければならない。
生きている細胞から生体電気のあらわれることは古くより知られていたが,1875年に英国のcatonが動物の脳に電気活動のあることを認め,ついで1924年にドイツの精神医学者であるHans Bergerが人間の大脳の電気活動の記録に成巧し,それを脳波Electroencephalogramとなづけて以来数多くの研究が行なわれてきた。最近のめざましいエレクトロニクスの発展に伴う装置の普及とともに,脳波検査は急速の進歩を示し,今日では脳の働きをとらえる唯一の方法としてなくてはならない検査方法となっている。
しかしその現象が単純でなく,また非常に微弱な電気活動であるために,その取り出し方にきまった方式がなく,各自適当と思われる検査方法を用いていた状態であった。最近その対策として,国際脳波学会が基準となるような脳波検査技術指針を提案している。わが国でも脳波計については日本工業規格(JIS)によってその性能が規定されている。規格にあった脳波計については問題はないが,記録の方法や整理のしかたなどはまだ検査室によって異なった方法が随時用いられているので,その記録所見は検査室外にもち出されても通用するものでなければならない。
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