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文献詳細

雑誌文献

臨床検査9巻12号

1965年12月発行

特集 日常検査法の基礎知識と実技

生理学

心電計

著者: 長尾透1

所属機関: 1社会保険中央綜合病院循環器科

ページ範囲:P.1255 - P.1266

文献概要

I.心臓の電気生理と心電図の図形
 心臓は胸腔内で,左右の肺に囲まれた中にあって,心膜とよぶ滑らかな膜で包まれ,横隔膜の上にのっている。正中線から,やや左側に偏して位置している。心脳の尖端を心尖といい,この部は正常の場合左の第5肋間で,乳線を通る鉛直線(乳頭線)のやや内側に相当する。心臓の壁は主として心筋線維からなる心筋層で,その外面は心外膜,内面は心内膜とよぶ薄い膜で被われている。心臓は筋肉の袋で,その内腔は4つの室からなっている(図1)。すなわち,左右心房と左右の心室である。心臓の各室の壁は心筋線維という筋層からなり,心房の壁は比較的薄いが,心室は厚い。右心房と左心房の境には,タテの隔壁,心房中隔が,右心室と左心室の境には心室中隔があって左右の室を区切っている。
 心房と心室との収縮のための命令伝導系として神経のような働きをする特殊の心筋線維があり,これを刺激伝導系という。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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