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菌交代現象と耐性獲得
著者: 長田富香1
所属機関: 1東京女子医科大学病院中央検査室
ページ範囲:P.211 - P.216
文献購入ページに移動はじめに
1933年Domagkらによるプロントジルの発見,1929年Alexander Flemingのペニシリンの発見に端を発した化学療法剤による細菌感染症の治療は,相次いで発見される有効な抗生物質により画期的成果をおさめつつあるが,その反面これら有効な化学療法剤使用により生体側に起る様々な現象,あるいは感染菌側の変化などのいわゆる化学療法の副現象といわれるべきものについて常に考慮が払われねば,化学療法の効果を十二分に駆使することができないのである。そこで1963年第16回日本医学会総会シンポジウムで各方面から論じられた化学療法の副現象のうち,生体側におこる菌交代現象および感染菌側におこる耐性獲得現象にスポットをあてて,大学病院中央検査室における検査記録からこれらの現象を解説してみたいと思う。
1933年Domagkらによるプロントジルの発見,1929年Alexander Flemingのペニシリンの発見に端を発した化学療法剤による細菌感染症の治療は,相次いで発見される有効な抗生物質により画期的成果をおさめつつあるが,その反面これら有効な化学療法剤使用により生体側に起る様々な現象,あるいは感染菌側の変化などのいわゆる化学療法の副現象といわれるべきものについて常に考慮が払われねば,化学療法の効果を十二分に駆使することができないのである。そこで1963年第16回日本医学会総会シンポジウムで各方面から論じられた化学療法の副現象のうち,生体側におこる菌交代現象および感染菌側におこる耐性獲得現象にスポットをあてて,大学病院中央検査室における検査記録からこれらの現象を解説してみたいと思う。
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