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文献詳細

雑誌文献

臨床検査9巻7号

1965年07月発行

文献概要

技術解説

血球のPAS染色

著者: 勝沼英宇1 伊藤仲治1 岡田光生1 佐藤淳1

所属機関: 1東京医大内科

ページ範囲:P.569 - P.576

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はじめに
 血球の染色には古くヘマトキシリン・エオジン法が用いられたが,Ehrlichの色素分析的研究の成果からエオジンおよびメチレン青を用いたChenzinski液がこれに代り,さらにこれが改良されて1902年,現今使われているMay-Grünwald液が生れた。そして1905年にはアヅールの使用によってGiemsa液が完成され,それから8年間経って,かの有名な病理学者Pappenheimがこの両液を併用したいわゆるMay-Giemsa二重染色法を公表して染色学の金字塔を打立てた。爾来,血球の細胞学的詳検はほとんど本法に依存し,その美麗な染色効果は細胞の形態学的診断に完壁といってよいほどの成績を与えてくれた。しかし医学の進歩はさらに多数の新しい検査術式を生み,血球の研究もただ形態のみでなく,その機能の追求に突進する傾向があらわれ,ひいては血球の機能を染色法の形で表現しようとする努力が払われてきた。最近その話題の一つとして登場したのがこのPAS染色(Periodic acid Schiffs stain)である。本稿では主としてその技術について解説を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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